2010年1月10日日曜日

2.財務・会計 試験科目設置の目的と内容

試験科目設置の目的と内容

2.財務・会計
(科目設置の目的)
 財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。

(内 容)
⑴ 簿記の基礎
簿記原理、会計帳簿、決算処理一巡(試算表・精算表の作成、決算仕訳、貸借対照表・損益計算書の作成)

⑵ 企業会計の基礎
損益計算書(収益の会計、費用の会計)、貸借対照表(資産の会計、負債の会計、純資産の会計)、キャッシュフロー計算書、企業結合(合併・分割、連結決算)、会計ディスクロージャー、税効果会計

⑶ 原価計算
原価概念、原価計算の種類と方法

⑷ 経営分析
経営比率分析(収益性、流動性、生産性、成長性)、損益分岐点分析、利益増減分析

⑸ 利益と資金の管理
利益計画(限界利益と貢献利益、プロダクト・ミックス)、予算・実績差異分析、資金繰りと資金計画

⑹ キャッシュフロー(CF)
CF の種類と算出(CF の概念、営業CF、投資CF、財務CF)、CF マネジメント(フリーCF、運転資金の管理、CF 関連比率)

⑺ 資金調達と配当政策
資金調達の形態(内部金融と外部金融、直接金融と間接金融、自己資本と他人資本、企業間信用、リース)、資本コスト(借入金のコスト、社債のコスト、普通株式のコスト、剰余金のコスト、加重平均資本コスト)、配当政策(配当の種類、配当性向、配当政策の効果)、最適資本構成(財務レバレッジ、モジリアーニ・ミラー(MM)理論)

⑻ 投資決定
貨幣の時間価値と割引キャッシュフロー(DCF)、投資評価基準(回収期間法、会計的投資利益率法、内部収益率(IRR)法、正味現在価値(NPV)法、収益性指数法)、不確実性下の投資決定

⑼ 証券投資論
ポートフォリオ理論(ポートフォリオのリスクとリターン、効率的ポートフォリオ、最適ポートフォリオの選択)、資本市場理論(資本資産評価モデル(CAPM)の理論、指数モデル、CAPM と財務決定)

⑽ 企業価値
株価の算定(配当割引モデル、株価収益率、株価純資産倍率、株価キャッシュフロー倍率)、企業価値評価モデル(割引超過利益モデル、割引キャッシュフローモデル)、企業合併・買収における企業評価(収益還元方式、純資産方式、市場株価比較方式)

⑾ デリバティブとリスク管理
リスクの種類、オプション取引(コールオプション、プットオプション)、先物取引(先物為替予約、通貨先物取引)、スワップ(金利スワップ、通貨スワップ)

⑿ その他財務・会計に関する事項

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