2010年1月19日火曜日

各事例の対応方法 生産・技術事例

生産・技術 事例

事例問題を解く際は、全事例共通して次の順番で考察していく。
 1.事例会社(社長)の経営理念を確認する。
 2.SWOT分析による外部環境分析と内部資源分析を行う。
 3.経営戦略(ドメイン)の設定を行う。
 4.事業戦略の構築および機能別戦略の構築を行う。
 生産・技術事例の場合は、「4.」の段階で生産・技術戦略を考えることになる。

生産・技術戦略
 生産・技術戦略は、生産性や収益性の向上が目的だ。この目的を達成するためにQCD(Quality品質・Costコスト・Delivery納期)の視点から問題点を考察し、その改善策を提案していく。
 例えば、既存製品の低価格化や取引先への短納期対応という問題点に対し、管理体制の強化や従業員の能力開発といった改善策を提案するのだ。管理体制においては「品質管理(Q)、原価管理(C)、工程管理(D)」といった各管理手法から改善策を考察し、従業員の能力開発においては「OJT、Off-JT、自己啓発」や「多能工化」などの視点から改善策を考察する。また、PDCAサイクルによる「計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)」という視点も使いやすい改善提案の一つだ。
 事例企業の究極的な課題は、「製品の高付加価値化」と「生産リードタイムの短縮(短納期対応)」を実現することだ。この課題を実現することにより、生産性や収益性の向上が図られることになる。

生産・技術事例の特徴
 生産・技術事例は、一段落毎に設問で聞かれる論点がまとまっている。マーケティング事例のように顧客ニーズや問題点などの論点が点在していないので、回答するために使用する文章を特定しやすい。
 また、生産性と収益性の向上という両面を考えるため、生産的な問題ばかりではなく営業的な問題も改善しなければならない。与件文のなかで生産部門と営業部門の連携が悪いことを指摘している場合は、必ずその連携を改善するように求められる。
 さらに、IT活用の設問が必ず用意されているのも特徴の一つだ。LANやインターネット活用による情報交換、データベースによる一元管理化など、ITを活用することにより顧客対応を強化する手法は抑えておく必要がある。

生産・技術戦略
品質管理、原価管理、工程管理の強化
  ↓↑
マーケティング戦略
顧客対応力の強化:ITの活用

生産管理
 需要の3要素 :QCD→Quality品質・Costコスト・Delivery納期
 生産の3要素 :3M→Man人・Material材料・Machine機械
 生産の基本機能:設計・調達・作業
 第1次管理(合理化の手段):
  品質管理・原価管理・工程管理
 第2次管理(1次管理の補完):
  基本機能に関する管理→設計・資材・作業管理
  3Mに関連する管理→人事管理・設備管理・外注管理・作業管理等

生産形態
 注文と生産の時間的関係:
  受注生産 (特注品)
  見込生産 (標準品)
 生産数量と品種:
  多品種少量生産
  中量生産
  少品種多量生産
 仕事の流し方:
  個別生産
  ロット生産
  連続生産

工程管理 改善の方向性
 生産計画:期間別計画(大・中・小日程)、要素別計画(手順・工数・負荷)
  生産能力を適切に把握して付加を平準化した生産計画に改善することにより、原価低減と短納期化を図る。
  生産計画の短サイクル化を図ることにより、小ロット・短納期注文に対応する。
 生産統制:進捗管理・余力管理・現品管理
  工程の進度管理を営業先で把握することにより、顧客に対して正確な納期を即答する。
  工程の余力情報を営業先で把握することにより、顧客に対して新規受注品の納期を即答する。
  工場の進度情報、余力情報をデータベースで全社的に一元管理することにより顧客対応力を強化する。
 ラインバランシング
  生産ライン上に割付けられた各工程の作業時間のバラツキを減らし、作業負荷を平準化する。
 多能工化
 段取り時間の短縮 (内段取りの外段取り化)
 進度管理 (差立、ガントチャート、製造三角図、流動数曲線)
 発注・納期管理 (カムアップシステム)
 ABC分析

3S (標準化、専門化、単純化)
 Standardization:標準化→使用例:部品点数の削減提案
 Specialization:専門化
 Simplification:単純化

5S
 整理、整頓、清掃、清潔、躾

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