中小企業診断士2次試験では、電卓の使用が許されている。電卓は財務事例では必須のツールであり、この扱い方をマスターすることによって、計算時間が短縮できる。今回は、電卓の便利な機能について紹介しようと思う。
今回紹介する機能は、CASIO社製の電卓を使ったものだ。SHARP社製の電卓はキーの押し方が若干異なっているようなので、インターネットなどで調べてほしい。
クリアキー
AC:オールクリアキー。すべての入力を消去する。
C:クリアキー。最後に入力した数値だけを消去する。
桁下げキー
>:数字の入力ミスを一桁ずつ訂正する。(▲マークの付いたキー)
例題
100,000「>」10,000
10,000「>」1,000
※誤って「0」を多く入力してしまった時などに使用する。
メモリキー
M+:表示されている数値をメモリへ加える時に使用する。
M-:表示されている数値をメモリから減じる時に使用する。
MR:メモリ内に記憶されている数値の合計を表示する時に使用する。
MC:メモリ内に記憶されている数値を消去したい時に使用する。
例題
(1)(150+165)-(235-160)=
150「+」165「M+」…左側のカッコ
235「-」160「M-」…右側のカッコ
「MR」240
(2)(500+100)/{1-(500÷1250)}=
1「M+」500「÷」1250「M-」…分母の計算をメモリに記憶する。
500「+」100「÷」…分子を計算する。
「MR」「=」1000…メモリ(分母の計算結果)を呼び出す。
※分母を先にメモリに記憶させる
グランドトータルキー
GT:複数の計算結果を合計する。
→投資の経済性計算で正味現在価値(NPV)を求める時などに使用する。
例題
設備取得価額5,000、残存価額0、割引率5%
この投資によってもたらされるキャッシュフローが
1年目1,500、2年目2,000、3年目2,500の場合のNPV
1,500「÷」1.05「=」…1年目の計算
2,000「÷」1.05「÷」1.05「=」…2年目の計算
2,500「÷」1.05「÷」1.05「÷」1.05「=」…3年目の計算
「GT」「-」5,000「=」402…1~3年目を合計し正味現在価値を計算する。
※小計の際に「=」を押すことが必要
さまざまな数字を一定の数字で割る計算
→利益率計算などで使用する。
例題
売上高200、売上総利益40、営業利益10、経常利益5の場合
売上高200「÷」「÷」…売上高を分母に設定
40「=」…売上総利益率0.2→20%
10「=」…営業利益率0.05→5%
5「=」…経常利益率0.025→2.5%
累乗計算
ある数字の2乗、3乗、4乗…を求める計算
「×」「×」「=」で2乗、さらに「=」で3乗、さらに「=」で4乗…
→年金現価係数を計算する時などに使用する。
例題
資本コスト率が年間7%、年数が5年のときの年金現価係数
1「÷」1.07「=」…1年目
「×」「×」「=」…2年目
「=」…3年目
「=」…4年目
「=」…5年目
「GT」…5年目の年金現価係数
さらに理解を深めたい人は、「税理士・公認会計士受験生のための新版電卓操作の本」堀川 洋 (著)など多数の本が出ているので参考にしてほしい
これから何年もともにする電卓なので、少し値が張っても良いものを購入しておきたい。購入する時の基準は12桁表示、ルートキー、GTキーが備わっていることである。
デザインの良いお勧め電卓
黒 CASIO LATORA デザイン電卓 12桁 RT-7000BK-N
白 CASIO LATORA デザイン電卓 12桁 RT-7000WE-N
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