2010年1月29日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 組織・人事 第4問)

 それでは、第4問目を解いてみよう。高度な専門用語は必要としない。頼れるものは「2次のキーワード」と「事例の対応方法」だけだ。

平成21年度 組織・人事事例

第4問(配点20点)
 A社社長は、生産体制を見直す際に、F社出身のベテランの洋菓子職人をA社工場の責任者に任命した。こうした施策を講じることによって、どのような成果や効果を期待したと考えられるか。100字以内で述べよ。

まず題意から考えよう!
題意:A社社長は、どのような成果や効果を期待したと考えられるか
 解答の骨子
  例1:A社社長は、①成果として~、②効果として~、を期待したと考えられる。
  例2:A社社長は、①~、②~、という成果や効果を期待したと考えられる。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。
    (ただし、今回は、因果関係の表現は使わなかった。)

次に制約条件を考える!
制約条件:F社出身のベテランの洋菓子職人をA社工場の責任者に任命による成果や効果
 成果や効果を期待している→A社社長は、「あるべき姿」とのギャップを感じている
  →ギャップを形成しているA社の問題点を探せ!
 「効果」というだけでも良いところ、「成果や効果」とあえて2つ挙げている
  →少し気になる…。
 切り口を「成果」と「効果」にすべきか?
  広辞苑より
   成果:なしえたよい結果。
   効果:ある行為によって得られた、期待通りのよい結果。
  ある成果によって何らかの効果が発生する感じ?良く分からない…。
 切り口にはせず、「成果や効果」と一緒にしてごまかす。
  →「~という成果や効果を期待したと考えられる。」という表現でいいや。

与件を活用する!
A社の問題点
:A社社長は、この問題点を克服して「あるべき姿」になることを期待した。
 「確かに、こうした大都市圏での事業展開は成長をもたらしたが、同時に生産体制や販売体制の整備などで新たな対応が求められた
 「地方都市と比べて競争が激しく市場ニーズの変化が速い大都市圏では新奇さを打ち出すことが必要で」
 「定期的に目先を変える新作菓子を生み出す体制の整備が課題となってきた
 「A社に、卓越した商品開発のノウハウが備わっていたわけではなかった
 「そこで生産を統括していた洋菓子職人の1人と数人の職人がA社の工場に配置転換され、その他の職人はF社のもう1つの工場に残った」
 →新奇さや目先を変えた新作菓子を生み出す体制の整備ができていない
 →卓越した商品開発のノウハウが備わっていない

問題の階層を考える!
 あからさまな組織戦略の問題が見当たらない→この問題が組織戦略か?
 体制の整備が課題→組織戦略レベルとしても良いのでは…?
 組織戦略は、組織構造組織文化の視点で考える。
  組織構造:新作菓子が生産できる組織体制
  組織文化:商品開発のノウハウが継承できる組織文化



以上から導き出した解答:
 題意:例2を使用
 与件文から問題点を抽出→克服へ
 組織戦略の切り口そのまま

A社社長は、①ベテランの洋菓子職人によって卓越した商品開発のノウハウが継承できる組織文化の醸成と、②新奇さや目先を変えた新作菓子が生産できる組織体制の整備、という成果や効果を期待したと考えられる。98字

0 件のコメント:

コメントを投稿