2010年1月28日木曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 組織・人事 第3問)

 それでは、第3問目を解いてみよう。

平成21年度 組織・人事事例

第3問(配点20点)
 A社がF社を傘下に収めた結果、買収されたF社の従業員に比べて、買収したA社の従業員のモラールが著しく低下してしまった。両社の人事構成を踏まえた上でその理由について、100字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
題意
:その理由について、100字以内で述べよ
 解答の骨子
  例1:理由は、~のためである。具体的には、
     ①~のため、
     ②~のため、である。
  例2:両社の人事構成は~である。モラール低下の理由は、~のためである。

  ※例1の①と②の部分で具体的な理由を述べるときは、因果関係を明確に書くようにする。
   →「~により、~であるため」「~することで、~になるため」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
制約条件:両社の人事構成を踏まえた上で
 A社の人事構成とF社の人事構成を比較する。

与件を活用する!
A社の人事構成(買収前):
 「従業員はパート・アルバイト社員を含めて130名程度である」
 「販売員を含め120名程度の従業員のうち80%近くが、パート・アルバイト社員であった」
  →「パート・アルバイト社員」は字数が多いため「非正規社員」と表現する。
  →A社は80%近くが非正規社員である。
F社の人事構成(買収前):
 「従業員数50名(うちパート・.アルバイト社員約20名含む)
 「売り上げが3年間で30%近く落ち込んでしまったF社は、パート・アルバイト社員を中心に人員整理を断行した
  →F社は買収前の人員整理により正規社員が多い。
買収後のA社の人事構成:
 「そこ(閉鎖されたF社の工場)で生産を統括していた洋菓子職人の1人と数人の職人がA社の工場に配置転換され、その他の職人はF社のもう1つの工場に残った。最終的に、A社とF社の従業員40名程度の人員整理を実施した
  →買収後の人員整理はA社の非正規社員を中心に行われたと考えられる。

問題の階層を考える!
 A社の従業員のモラールについて→人事戦略レベル
  各事例の対応方法 組織・人事事例
 人事戦略は、モラール向上と能力開発の視点で考える。
 モラール向上策は動機づけ衛生理論の視点で考える。
 動機づけ衛生理論
  動機づけ要因:達成すること、承認されること、仕事そのもの、責任、昇進など
  衛生要因  :会社の政策と管理方式、監督、給与、対人関係、作業条件など
 A社の従業員のモラールが著しく低下していることから、A社の衛生要因が悪化している方向性を記述する。
  →作業条件の悪化により、A社の従業員のモラールが著しく低下した。



以上から導き出した解答:
 題意:例2を使用
 与件文をまとめる
 人事戦略の考え方から決め台詞を探す


A社は80%近くが非正規社員であり、F社は買収前の人員整理により正規社員が多い。モラール低下の理由は、買収後の人員整理がA社の非正規社員を中心に行われ、A社の従業員が作業条件の悪化を強く感じた為である。100字

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