実際の事例問題について考えていこう。今回から述べる勉強法のコンセプトは、「事例問題にしがみついて解答を絞り出すにはどうするか?」ということだ。問題を解いていると「何を答えて良いかわからない!」という状況に必ず出くわす。このような場合でも、前回までに述べた「2次のキーワード」と「事例の対応方法」によって答えをひねり出そうという企画だ。限られた知識、時間との戦いの中で、解答用紙のマス目を全て埋めるにはどうしたらよいかを考える初心者向け企画だ。
※前回までは、ヒアリングに対する診断報告書上の答えという意味で「回答」という文字を使っていたが、今回からは、問題を解く上での答えという意味で「解答」という文字を使用する。
平成21年度 組織・人事事例
第1問(配点20点)
F社を買収する以前のA社、およびA社に買収される以前のF社は、それぞれW市周辺で有力な菓子メーカーであった。和菓子、洋菓子といった取扱商品に違いがあるものの、A社とF社の強みには、どのような違いがあると考えられるか。150字以内で述べよ。
まず題意から考えよう!
題意:A社とF社の強みには、どのような違いがあると考えられるか?
解答の骨子
例1:A社とF社の強みには、~のような違いがある。具体的には、
①A社の強みは~であり、
②F社の強みは~であるといった違いがある。
例2:強みにおけるA社とF社の違いは、
①A社は、~という強みを持ち、
②F社は、~という強みを持つことである。
次に制約条件を考える!
制約条件:和菓子、洋菓子といった取扱商品に違いがあるものの
取扱商品に対する違いは使用できない。
与件を活用する!
A社の強み:
「もともと、地元で採れた農産物を主原料とした地産地消の安全安心な菓子づくりをモットーに、和菓子をメインに評判を得てきた老舗菓子メーカーである」
「地元農家と専属契約を結び原材料の確保を図ると同時に」
「この成功の要因のひとつは、原材料重視というコンセプトが消費市場の食の安全に対する意識や自然志向の高まりにマッチしたことである。また、同じ時期に開始したインターネットを活用した通信販売も思いのほか反響が大きく、A社の業績を高めた」
「これまでW 市地区特産原材料へのこだわりを武器に事業展開してきた」
F社の強み:
「創業当初からF社に勤めていた菓子職人の技術がその評判を支え」
問題の階層を考える!
強みについての設問→環境分析レベル
対応方法
各事例の対応方法 環境分析と経営戦略
究極の切り口(内部・外部)
内部:
強みを強化する→目に見えない経営資源の強化
弱みを克服する→管理体制の強化、経営資源の有効活用
外部:
市場面への対応→顧客ニーズへの対応、顧客関係性の強化
競合面への対応→差別化による競争優位性の獲得
以上から導き出した解答
題意:例2を使用
与件文をまとめる:強みは、「~力」という表現を使うとまとめやすい
切り口:外部と内部
強みにおけるA社とF社の違いは、①A社は、食の安全、自然志向という消費市場のニーズにマッチしたW市地区産のこだわりの原材料調達力とインターネットを活用した通信販売力という外部環境に対する強みを持ち、②F社は、創業当初からの評判を支える菓子職人の技術力という内部資源に対する強みを持つことである。147字
・・・うーん、なんとも微妙な感じだが、設問や与件の文章をできるだけ活用して解答を作ってみた。
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