2010年6月4日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第4問)

 生産・技術事例の最後、第4問だ。生産・技術事例は苦手に思っている人も多いと思うが、慣れてくると一番得点がしやすい科目だと思う。SWOTの部分は【C社の概要】にほぼ記載されているし、各設問に使用する与件文も段落毎に固まっているため、指摘すべき問題点などは特定しやすい。問題点を特定できたら設問に素直に対応して、読み手(報告を受ける社長)に分かりやすく要約するだけだ。

第4問(配点10点)
 C社の自社製品は見込生産であり、現在製品化を進めようとしているOEM製品は受注生産で対応する予定である。C社の見込生産と受注生産の違い重視すべき情報と管理ポイントの視点から80字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
題意:C社の見込生産と受注生産の違いを述べよ。
 解答の骨子
  例1:違いは、~である。具体的には、
     ①見込生産は~である。
     ②受注生産は~である。
  例2:①見込生産は~である。②受注生産は~である。
   →今回は80字と字数が少ないため、例2を採用する。

次に制約条件を考える!
制約条件:①見込生産と受注生産の違い、②重視すべき情報と管理ポイントの視点から
 1次知識:見込生産と受注生産
  →見込生産
    ①事前に需要を見込んで一定量の最終製品を生産し、製品在庫から出荷する生産形態
    ②需要予測、在庫管理がポイント
  →受注生産
    ①受注してから納期に間に合うように生産し、製品が完成するとすぐ出荷する生産形態
    ②余力管理、進捗管理、納期管理、生産リードタイムの短縮がポイント

 情報系の問題は問われたことに素直に答えることが大事
  →違いは~、重視すべき情報は~、管理ポイントは~である。

与件を活用する!
この生産ロットサイズは営業部門の月販売予測数をどの製品も上回っている
 →販売予測数量の正確な情報が必要

しかし製品によっては欠品が発生し、販売先に即納できないこともしばしば生じている
 →在庫量を適正化して欠品を無くすことが必要、販売先への即納体制構築が必要

「製造部門の責任者は生産計画の変更、それに伴う原材料の確保、各工程能力の調整、外注工場への生産依頼など、その日その日の調整作業に追われている
 →生産計画の変更、各工程能力の調整など調整作業をするため、各工程の余力情報や進捗情報が必要

生産着手から生産完了までのリードタイムは、最短のもので半月、最長のものでは1カ月半となっている
 →生産リードタイムの短縮が必要

「このため、注文の際に製品在庫が不足している場合には、納品までに1カ月以上顧客を待たせる事態も時には生じているが、幸いにも欠品により注文がキャンセルされる確率は低い」
 →顧客対応を迅速化するため、正確な納期管理が必要

問題の階層を考える!
 情報と管理の問題
  →情報系はマーケティング戦略を考慮に入れる
  →毎年必ず1問は出ているので、解答のパターンを覚えることがポイント
    進捗情報を納期回答などに活用して顧客対応力を強化する方向性を考える
 生産・技術事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 見込生産と受注生産の違いを明確に述べる
 1次知識と与件の活用


見込生産は販売予測数量の情報が重視され、適正な在庫量の管理がポイントである。受注生産は各工程の余力情報や進捗情報が重視され、正確な納期の管理がポイントである。79字


※「生産リードタイムの短縮」について述べたいが、字数の関係で管理ポイントを「正確な納期の管理」とした。

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