2010年5月28日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第2問)

 さて第2問目だ。生産・技術の事例では、生産工程や営業とのやり取りでダメダメ項目が必ず出てくる。基本的にこの項目は全て解決すると考えて良い。
 「~していない」、「~できていない」などのマイナス表現や「しかし」などの逆説表現があった部分は、どこかの設問で使用する。もし、解決していないダメダメ項目が残っている場合は、要求されている改善策を解答していないと考えて良いだろう。

第2問(配点40点)
 C社では、経営上大きな問題となっている過大な製品在庫および製品の欠品について改善を検討している。次の設問に答えよ。

(設問1)
 過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を100字以内で述べよ

(設問2)
 製品の在庫問題を解決するために生産面で必要な対策を120字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
リード文の題意:過大な製品在庫および製品の欠品についての経営上の問題を改善する。

(設問1)
題意:過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を述べよ。
 解答の骨子
  例1:理由は~のためである。具体的には、
     ①(過大な製品在庫の理由)~のため、
     ②(製品の欠品発生の理由)~のため、である。
  例2:理由は、
     ①(過大な製品在庫の理由)~のため、
     ②(製品の欠品発生の理由)~のため、である。

(設問2)
題意:生産面で必要な対策を述べよ。
 解答の骨子
  例1:対策は~である。具体的には、
     ①(過大な製品在庫で必要な対策)、
     ②(製品の欠品発生で必要な対策)、である。
  例2:生産面で必要な対策は、
     ①(過大な製品在庫で必要な対策)、
     ②(製品の欠品発生で必要な対策)、である。

  ※例1は結論先出しの表現、このように表現するのが理想だが試験の時は難しい。
  ※具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →今回は「~することで~(のため)である」という表現を使った。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件:①経営上の問題、②過大な製品在庫、③製品の欠品について考える。
  →①経営上の問題:経営革新を阻害し、経営基盤を不安定にする問題が存在するはず。
 設問を読んで仮説を立てる。
  →現在の財務基盤を悪化させるような問題の存在?
  →将来の新事業に悪影響を与える弱みの存在?

(設問1)
制約条件:①過大な製品在庫の理由、②製品の欠品発生の理由
 1次知識から理由を考えてみる。
  →①在庫が増える理由:需要予測の精度が低い、稼働率優先で製品を作りすぎる
  →②欠品が出る理由:在庫量、売れ筋・死に筋の把握ができていない

(設問2)
制約条件:①製品の在庫問題を解決するために、②生産面で必要な
 ①製品の在庫問題
  →過大な製品在庫、製品の欠品発生
 ②生産面で必要な
  →生産・技術の1次知識
    在庫を減らす対策:需要予測の精度向上、小ロット生産
    欠品を無くす対策:製品在庫の把握、現品管理、進度管理

与件を活用する!
「現在の自社ブランド製品は使用する木材の品種違い、塗装の色違いを含めて170アイテムと多くなっている。製品はカタログに掲載され、販売先や消費者に配布されているが、その中には出荷頻度および出荷数量が極端に少ない製品も見られる
 →木材や色の違いで製品アイテムが多い
 →出荷頻度、出荷数量が極端に少ない製品も見られる
 →製品アイテム数を減らすための「ワザワザ表現」
 ※この与件文をどこで使うか迷ったが、この設問で使うことにした

生産工程上のボトルネック工程は部品機械加工工程である。この工程における段取り作業回数を減らし稼働率を上げるために、生産ロットサイズは部品機械加工工程の1日で加工可能な数量にて決定されており、現在は約100~150個である。この生産ロットサイズは営業部門の月販売予測数をどの製品も上回っている。その結果、製品在庫は全体で月平均出荷量の2倍以上常に存在し、少しずつ増加している
 →ボトルネック工程は必ず改善する
 →在庫増の直接的な原因:生産ロットサイズが月販売予測数を上回っていること
 →なぜ生産ロットサイズを大きくしなければならないのか?
   ∵段取り作業の回数を減らし稼働率を上げたいから
 ⇒つまり段取り作業に問題があり、生産ロットサイズを大きくしないと稼働率が上がらない

しかし製品によっては欠品が発生し、販売先に即納できないこともしばしば生じている毎月後半になると、営業部門から欠品している製品の追加生産依頼があり、生産が不安定になる製造部門の責任者は生産計画の変更、それに伴う原材料の確保、各工程能力の調整、外注工場への生産依頼など、その日その日の調整作業に追われている
 →製品によっては欠品が発生している:製品在庫を把握しきれていない
 →製品アイテム数が多すぎてどの製品をどれだけ作れば良いかが把握できていない
 ※「営業への定期連絡」や「現場での作業指示」など考えられる表現は他にもあるが、ここでは「製品アイテム数を減らす」ことを表現したいので、製品在庫の把握という表現を採用することにした

「このような生産工程の状況下で、製造部門は、経営上問題となっている過大な製品在庫の削減、および製品の欠品問題の改善を経営者より指示され、対策に苦慮している

問題の階層を考える!
 問題点に対する理由やその対策
  →具体的な対策が聞かれたら生産・技術戦略レベル
 生産・技術事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 (設問1)問題点の指摘は与件をそのまま書き出すイメージ
 (設問2)対策は問題点の裏返し、できるだけ具体的に

(設問1)
理由は、①稼働率を上げるために生産ロットサイズを販売予測数より大きく設定することで余分な在庫が発生するため、②製品アイテム数が多く販売数量の予測が困難であり、製品在庫の不足分を把握しづらいためである。100字


(設問2)
生産面で必要な対策は、①ボトルネック工程における段取り時間を短縮し小ロット生産が可能な体制を構築することで生産数量を適正化する。②木材や色の選別により出荷頻度・数量が少ない製品を縮小することで管理項目を単純化し販売数量の予測精度を高める。119字



 今回の解答は、与件と設問に素直な解答とは言えないかな?
 1次試験対策で学ぶ基本的なキーワードと中小企業白書で使われている表現、与件と設問の表現を活用して、読み手に「すーっ」と伝わる表現が理想形。
 テクニックとしては、①文末表現を揃えること、②因果関係を明確にすること、だろうか。

2010年5月26日水曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第1問)

 皆様、お久しぶりです。組織とマーケ以降滞っていた本ブログも本日から再開します。今後の予定としては、生産と財務を完成させた後、ブログの記事を参照しやすいように変更しようかと考えています。

 また、二次キーワード集と事例解答集の記事をPDF化してダウンロードできるようにしたいと思っています。必要な方っていますか???

…それでは、再開1回目はじまり!

第1問(配点10点)
 低迷する木製家具業界にあってC社は安定的な業績を維持している。その考えられる理由を120字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
題意:C社が安定的な業績を維持している理由を述べよ
 解答の骨子
  例:理由は~のためである。具体的には、
     ①(営業面)~のため、
     ②(生産面)~のため、である。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。
   →今回は字数の関係で変則的
  ※生産事例の第1問は環境分析であることが多い。
   →強みを答える場合は、営業面と生産面の両面で解答する。

次に制約条件を考える!
制約条件:①低迷する木製家具業界にあって、②C社は安定的な業績を維持
 外部環境(木製家具業界)は低迷している→脅威を避けて機会を探せ!
 内部資源(C社の強み)の活用により業績維持→営業面と生産面の両面から探す!
  →営業面:直接販売
  →生産面:製品開発力

与件を活用する!
 生産事例で活用する与件は、段落のブロック毎に固まっているので特定しやすい。

 特定したブロックを解答に落とし込むには要約力が必須!→春秋の要約で練習

業績が好調な所を探す!
「木製家具製造業は、一般に生産地または消費地の家具問屋を経由して小売店に販売している。その中で、家具専門の中小小売店では総じて売り上げが低迷しているが、消費者に対してライフスタイルの提案を積極的に展開しているインテリア用品・生活用品を扱う小売店や、製造小売型(SPA)の大型小売店の売り上げは比較的好調である

C社の強みを探す!
 →強みのキーワードは「特徴」、「セールスポイント」、「評価が高い」など

営業面
「このような木製家具業界にあって、C社は全国の小売店約300社に直接販売しているその販売先の約80%は、主にインテリア用品・生活用品を取り扱う小売店が占め、家具専門の小売店数が少ないのが特徴である
 →好調な小売店に直接販売をしている
 →どんな小売店なのかを具体的に述べよう!(与件に忠実に、具体的に)
 →(強み)直接販売:顧客ニーズの収集⇒製品開発に活用できる

生産面
「C社製品は、塗料や接着材に有害物質が含まれていないものを使用し、消費者の健康、安全志向にマッチした製品である。ダイニング用テーブル、チェアのセットの平均販売価格は15万円前後と比較的高額であるが、幼い子供を持つ若い主婦層に受け入れられている
 →高額な製品を提供している
 →顧客ニーズや製品の特徴は解答に盛り込もう!(与件に忠実に、具体的に)
 →(強み)製品開発力:高付加価値製品やC社独自の特注品など

問題の階層を考える!
 強みについての設問→環境分析レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 生産事例は営業面と生産面の両面から解答する
 与件に忠実に、具体的に

理由は、①主にインテリア用品・生活用品を扱う好調な小売店に直接販売することで安定的な売り上げと消費者ニーズを獲得しているため、②比較的高額でも幼い子供を持つ若い主婦層に受け入れられる健康、安全志向にマッチした製品を提供しているためである。119字

2010年2月8日月曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第4問)

 さて、ラスト第4問だ。

第4問(配点30点)
 B社はインターネットを使って自社のPRだけではなく地域内外の人々と何らかのコミュニケーションを図ろうとしている。それはどのようなものが考えられるか、150字以内で答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:インターネットを使ったPR・コミュニケーション手段にはどのようなものが考えられるか
 解答の骨子
  例:B社は~(インターネットを使った内容)が考えられる。具体的には、
     ①~(自社のPR)、
     ②~(地域内外の人々とのコミュニケーション)、を図る。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
制約条件:①B社はインターネットを使って、②自社のPRだけではなく、③地域内外の人々と何らかのコミュニケーション
 ①B社はインターネットを使って
  →ホームページが基本。具体的な方法は電子掲示板、ブログ、メールマガジンなど。
 ②自社のPRだけではなく
  →顧客ターゲットに対して有益なものをアピールする視点
 ③地域内外の人々と何らかのコミュニケーション
  →地域外:史跡や街中の寺院に興味を持つ観光客を対象にしよう。
  →地域内:市民マラソンに出場するランナーを対象にしよう。
  →コミュニケーションを図る:双方向の情報のやり取りが必要。

与件を活用する!
地域外の人々
 「X市は大都市近郊にあり、人口30万人を抱え、古くから城下町として栄えてきた歴史と文化や伝統を持つ商業都市である
 「市の中心に位置する城跡公園は市民に親しまれているだけではなく、史跡や街中の寺院を訪れる観光客の数も多い
 「100年ほど前の大火事の経験から、耐火建築の蔵造りが注目され、今日の『蔵造りの町並み』が築かれている」
   →城跡公園、蔵造りの町並み、史跡や寺院などのX市の歴史と文化について興味を持っている人々への情報配信

地域内の人々
 「B社が毎月発行するミニコミ誌やホームページには、地元スポーツの試合結果が掲載されている」
 「『健康』と『観光』を融合させ、『歴史と文化を走りぬけよう』というテーマで、城跡公園がスタートとゴールになり、5kn 、10km、ハーフマラソンの距離別で、初心者、親子から本格的ランナーまでが楽しめる大会を目指している」
 「特に5kmでは高齢者の参加希望者が多い
   →市民マラソンを走るランナーへの情報配信
     B社おすすめのマラソン用品の紹介:自社のPR
     市民マラソンのコースの紹介

問題の階層を考える!
 インターネットを使ったコミュニケーション:プロモーション
  →マーケティング戦略レベル
 マーケティング・流通事例の対応方法
 究極の切り口は、外部と内部



以上から導き出した解答:
 題意:解答の骨子をそのまま活用
 電子掲示板は最近見かけない、メールマガジンは双方向通信ができない、ブログなら情報配信と顧客のコメントという双方向通信可能
 切り口
  外部:情報の流れ 社内→社外 情報配信
  内部:情報の流れ 社外→社内 コメントの収集およびその対応


B社は、ブログの活用が考えられる。具体的には、①地域外の人には史跡や寺院などのX市の歴史と文化について、地域内の人にはB社おすすめのマラソン用品や市民マラソンのコースについての情報を発信し、②ブログに寄せられた閲覧者からのコメントにきめ細かく対応することで、地域内外の人々とコミュニケーションを図る。150文字




 今回で、マーケティング事例は終了だ。なかなか要約力を求められる問題が多かった。普段から、日経新聞の春秋などを題材に文章の要約を練習している人は、優位に問題を解くことができたことだろう。最近の事例は、解答の際に30字や40字程度で短くまとめさせることが多い。このため、春秋をまとめる際も40字程度にまとめる練習をした方が良いのではないだろうか?この際、きちんと40字のマス目を作って、文章をまとめる練習をした方がいい。あと何字でマス目が埋まるのかが直感的にわかるようになるからだ。
 また、事例の文章中「特に」とか「特徴」という強調を示す文字や「しかし」などの論点を切り替えている部分は要注意だ。この部分に解答のキーになる文章が含まれていることが多いからだ。こういった文字が出てきたら、グリグリにマーキングして注意を促そう。

2010年2月7日日曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第3問)

 第3問を解いてみよう。この問題は、はじめにリード文があり設問1と設問2に分かれている問題だ。こういう問題では、設問1を解いている間はリード文を意識しているが、設問2を解く段階になってリード文の存在を忘れてしまう危険性があるので注意しよう。設問の題意と制約条件を考える段階で、リード文の制約条件は、設問1と設問2に目立つように書き留めておくことがポイントだ。試験終了間際になると、リード文のことなんてすっ飛んでいるはずだ。忘れてはいけない部分は、余裕があるうちにあらかじめメモをとって目立つようにしておこう!

第3問(配点40点)
 B社は顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高めるために新しい事業を考えている。どのような事業が考えられるか
(設問1)
 B社は自社だけで行えるサービス事業を考えている。それはどのようなものか、120字以内で答えよ。
(設問2)
 B社は商店街の裏通りにある銭湯との共同事業を考えている。どのようなサービス事業が考えられるか、120字以内で答えよ。

まず題意から考えよう!
リード文の題意:B社の新しい事業にはどのような事業が考えられるか

(設問1)
題意:自社だけで行えるサービス事業はどのようなものか
 解答の骨子
  例1:サービス事業は〜である。具体的には、
     ①〜、
     ②〜、である。
  例2:B社が自社だけで行うサービス事業は、①〜、②〜である。

(設問2)
題意:銭湯と共同で行うサービス事業はどのようなものか
 解答の骨子
  例1:サービス事業は〜である。具体的には、
     ①〜、
     ②〜、である。
  例2:銭湯と共同で行うサービス事業は、①〜、②〜である。

  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「〜により、〜である」「〜のため、〜である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件:顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高めるために
  →設問1で「顧客の拡大」を設問2で「自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める」を決めゼリフにしようと決める。

(設問1)
制約条件:B社は自社だけで行える
 解答の終わりの表現は、リード文の言葉を活用する。
  →〜をすることで、顧客の拡大を図る。
 B社だけで行えるサービス
  →B社のリソースを活用する。
   「目に見えない資源」…専門知識、ノウハウ・技術、顧客の信用など
   「小規模特性」…地域密着力、顧客対応力、対面販売力など
    モノ:本店裏にかつて倉庫と駐車場であった土地を保有
    ヒト:地域の学校や団体との関係性、従業員の顧客対応力

(設問2)
制約条件:銭湯との共同事業
 解答の終わりの表現は、リード文の言葉を活用する。
  →〜をすることで、自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める。
 銭湯との共同事業でできるサービス
  →B社と銭湯のリソースを活用する。
  →B社が毎月発行するミニコミ誌やホームページ:情報提供のノウハウ
  →銭湯の社交場としての存在意義を忘れない。

与件を活用する!
第1問と第2問の解答を踏まえる。

(設問1)
ターゲット顧客を拡大する視点
 「なおB社は、本店裏にかつて倉庫と駐車場であった土地を保有しており、その再利用を考えている
   →再利用を考えているなら活用する方向で。
 「B社本店には、市内の草野球リーグやママさんバレーボールリーグの事務局が置かれ試合会場の手配などをB社はボランティアで引き受けている
   →試合会場の手配などはノウハウとして蓄積しているはず。
 「最近では、大学生を中心にフットサルの人気が高まり市内でリーグ戦ができるほどにチーム数も増えている
   →フットサルの練習やリーグ戦をできるようにしたら大学生の顧客が拡大しそうだ。
 「フットサル(futsal)は〜ジュニアから中高年、女性まで気軽に参加できるスポーツとして人気が出てきている
   →初心者向けのサービスも何かしたいよね。

(設問2)
ロイヤルティ(愛顧)を高める視点
 「ランナー達の悩みは、着替えとシャワーであるが、商店街の裏通りにある銭湯がランナー達のニーズに応えている
   →ランナー達の悩みに答える。着替えとシャワーは絶対必要!
 「また、夕方になると銭湯が社交場となって、グループ同士で近隣の居酒屋へ出掛けていく者たちも多い」
 「しかし、この銭湯は昔から人気があり、高齢者を中心に数多くの人々が利用してきた
   →「しかし」は重要語句
 「ランナー達がこの銭湯を利用することが増えるにつれ、銭湯が非常に混み合ってきている
   →混雑解消!新たな社交場をつくる必要があるよね。
 「そこで、この銭湯は何か事業ができないか模索している」

問題の階層を考える!
 顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める
  →具体的な方策が聞かれたら、マーケティング戦略レベル
 マーケティング・流通事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 設問1はフットサル、設問2はランナーについて記述する。

(設問1)
 自社だけで行えるサービス事業
 第1問、第2問の解答も踏まえよう!
  →本店裏の土地を再利用する
  →アマチュア志向の需要にも対応すること
  →ジュニアや女性の初心者向けサービス、大学生のリーグ戦等に対するサービス

自社だけで行うサービス事業は、本社裏の土地をピッチとして再利用したフットサル事業である。具体的には、①ジュニアや女性等の初心者に対してフットサル教室を開催し、②市内の大学生チームに練習の場やリーグ戦の会場を提供することで、顧客の拡大を図る。120字


(設問2)
 B社と銭湯との共同サービス事業
 第1問、第2問の解答も踏まえよう!
  →高齢者に対してのサービスも加えたい。
 何よりもランナーの悩み解消を考えよう!
  →着替えとシャワー設備は銭湯のノウハウを活用できる。
  →社交場としての機能はB社の情報提供のノウハウを活用できる。

銭湯と共同で行うサービス事業は、ランナー支援事業である。具体的には、①ランナーの悩みに答えるため、本社裏の土地に着替えとシャワーができる設備をつくり、②市民マラソンの情報発信や高齢者等との情報交換の場を提供することで、自社への愛顧を高める。120字

2010年2月5日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第2問)

 さて、次は第2問だ。制限文字数が30字と短くなっているため、要約力が求められる問題だ。普段から、文章の要約練習をしておくことが重要だ。

第2問(配点10点)
 B社が需要拡大のためにこれからターゲットとすべき顧客層とはどのようなものか。30字以内で2つ答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:これからターゲットとすべき顧客層とはどのようなものか
 解答の骨子
  例:①~(顧客層)である。②~(顧客層)である。
  ※30字なので、主語を書く余裕はない。
  ※語尾を揃えることで、2つの文章の比較が容易となり、文章が理解しやすくなる。

次に制約条件を考える!
制約条件
:B社が需要拡大のために
 需要拡大→需要が増加している部分に着目する!

与件を活用する!
需要の増加を示している与件文章を探す
第1問で指摘した差別化要因を忘れない→「アマチュア志向の需要」「高齢者等」

 「大学生を中心にフットサルの人気が高まり、市内でリーグ戦ができるほどにチーム数も増えている
 「それに伴いフットサル用品の需要も増えてきている
 (【フットサル】の説明より)「ジュニアから中高年、女性まで気軽に参加できるスポーツとして人気が出てきている」
   →フットサルで決まり!具体的な顧客は、第1問を意識して答える。
     地域の学校や団体との関係性:フットサルを始めたばかりの大学生
     アマチュア志向の需要:ジュニア(から中高年)、女性
     ※「中高年」は2つ目の答えの「高齢者」に含める。

 「出社前や昼休み、そして早朝や夕方に公園周辺をウォーキングやジョギングする人が増えている
 「週末や休日になると、さらにその人数は増加しており、高齢者の割合が増えてきている
 「このようなランナー達のグループ作りが盛んになっており、企業や大学のサークルだけではなく
 「ハーフマラソンの距離別で、初心者、親子から本格的ランナーまでが楽しめる大会を目指している。特に5kmでは高齢者の参加希望者が多い
   →ランナーで決まり!具体的な顧客は、第1問を意識して答える。
     アマチュア志向の需要:初心者、親子、(企業や大学のサークル)
     高齢者等に対して提案販売:高齢者
     ※「企業や大学のサークル」は1つ目の「大学生」に含める。
     ※「特に」という言葉は要注意語句!

問題の階層を考える!
 ターゲット顧客:ドメイン「誰に」「何を」「どのように」の「誰に」
  →経営戦略レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 題意:ターゲット顧客は、自社の強みが活かせる顧客とする
 第1問の強みも考慮の上、ターゲット顧客を挙げる


フットサルを気軽に楽しみたい大学生、ジュニア、女性等である。30字


城郭公園の周辺を走る高齢者やマラソンの初心者、親子等である。30字

2010年2月4日木曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第1問)

 さて、マーケティング事例を始めよう。マーケティング事例は、自社の強みを顧客のニーズにうまく対応させて、競合と差別化を図ることが重要だ。試験委員である岩崎 邦彦先生の著書、「スモールビジネス・マーケティング」では中小小売業のコア基盤を次の3つに分けている。「目に見える資源」、「目に見えない資源」、「小規模特性」だ。具体的な内容は、以下の通りだ。

  コア基盤
  a. 「目に見える資源」…設備、人手、資金など
  b. 「目に見えない資源」…専門知識・独自の経験、ノウハウ・技術、顧客の信用・ブランド
  c. 「小規模特性」…真空地帯の対応力、変化対応力、地域密着力、対面販売力、個性化力

ここではさらに「目に見えない資源」と「小規模特性」を融合させることで持続的競争優位性が築かれると説明している。つまり中小小売業では、「目に見えない資源」と「小規模特性」を強みとして捉え、大手競合との差別化戦略を考えていくことになる。
 さて、それでは第1問から解いていくことにしよう。

第1問(配点20点)
 ショッピングセンター内の2つの競合店に対してB社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか。80字以内で2つ答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:B社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか
 解答の骨子
  例1:B社の強みを活かした差別化戦略は、〜である。具体的には、競合店に対して〜である。
  例2:競合店に対するB社の差別化戦略は、〜である。
  ※80字なので、一文40字でニ文で答えるのが理想的だ。あまりに長い文だと読み難くなるので、短文で区切って記述する方が良い。
  ※今回は、主語の部分を長くしたので、一文で解答している。

次に制約条件を考える!
制約条件:ショッピングセンター内の2つの競合店に対して
 SC内には2つのスポーツ用品店があり、1つは大手チェーンのスポーツ用品店で、もう1つはファッション重視のスポーツ用品店である
 「大手チェーンのスポーツ用品店」と「ファッション重視のスポーツ用品店」に対する差別化戦略を考える。

与件を活用する!
B社の強み:
 「本店を含めいずれの店舗においても、地域の学校や団体との関係を深め、緻密な商品供給とサービスに力を入れてきた
 「従業員の顧客対応に関しても住民からの評判が良かった
2つの競合店の特徴
 「大手チェーンのスポーツ用品店は、各種スポーツのプロ志向の需要にも応えようとする品揃えをしている」
   →差別化:アマチュア志向の需要にも対応する
 「もう1つのスポーツ用品店は、若者向けスポーツカジュアルのファッションに重点を置いた品揃えを行っている」
   →差別化:高齢者に重点を置く

問題の階層を考える!
 強みについての設問→環境分析レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 題意:例2を使用
 差別化するなら2つの競合店の裏返しを考える
 顧客対応とくれば、提案営業でしょ。

大手スポーツ用品店に対するB社の差別化戦略は、地域の学校や団体との関係で培った緻密な商品供給とサービス力を活かして、アマチュア志向の需要にも対応することである。80字


ファッション重視のスポーツ用品店に対するB社の差別化戦略は、住民からの評判が良い従業員の顧客対応力という強みを活かして、高齢者等に対して提案販売をすることである。81字

2010年1月31日日曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 組織・人事 第5問)

さて、いよいよ第5問目について解答する。組織・人事事例最後の問題だ。

平成21年度 組織・人事事例

第5問(配点20点)
 現在、A社は、地元市場の不振と、景気低迷に伴う大都市圏事業の縮小といった厳しい経営状況に直面している。急速な業績回復が期待できない中で、短期的に売り上げを増進させるための具体的施策について、中小企業診断士として助言を求められた。どのような助言を行えばよいか、150字以内で述べよ。

まず題意から考えよう!
題意:短期的に売り上げを増進させるための具体的施策について、どのような助言を行えばよいか
 解答の骨子
  例1:助言は、〜である。具体的施策は、
     ①~、
     ②~することで短期的に売り上げを増進させることである。
  例2:短期的に売り上げを増進させるため、
     ①~、
     ②~、という施策を助言する。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
制約条件
 ・地元市場の不振→地元はダメ、新しい市場を考える必要がある
 ・大都市圏事業の縮小→大都市圏での成長は期待できない、立地条件を武器にできない
 ・急速な業績回復が期待できない中で、短期の売り上げを増進させる
   →即効性のある施策が必要、外部環境悪化により内部資源の強化が必要
 ・中小企業診断士として→一次知識、白書の知識、客観性と論理性、多面的な視点
 A社の強みである「インターネットを活用した通信販売」の強化を行う方向性か?
  理由①:立地条件に関係なく、全国の市場に商品を販売できるため。
  理由②:現在、すでに通信販売を行っており短期に販売体制が強化できるため。

与件を活用する!
 「社内コンテストの開催社外の菓子職人やコンサルタントへの依頼などによって新しい創作菓子の開発に積極的に取り組んだ」
  →社内の能力開発、社外リソースの活用による能力開発は可能:能力開発の視点
 「大都市圏市場の拡大を目指すA社社長は、高級スーパーへの納品にも挑戦した」
  →高級化による売り上げの確保
 「販売体制の整備などで新たな対応が求められた」
  →販売体制の整備が必要
 「死に筋商品の排除売れ筋商品への絞り込み」→この表現は覚えておく!
  →基本的な商品の絞り込みは対策済み、これ以外で売上高向上策を探す
 「大都市圏のデパート・スーパーに当初から投入していた商品の売り上げに支えられ、かろうじて営業を続けている」
  →新たな売り上げをつくる商品の投入が必要

短期的に売り上げを増進させる:

 組織・人事の視点→販売員の能力開発
 マーケティングの視点→売上=客数×客単価、顧客生涯価値・リピーター率の向上

以上をまとめると…
 →①社外のコンサルタントによる社内研修や社内コンテストを活用した能力開発により販売員のスキルを向上させて販売体制を整備する。
 →②高級スーパー向けの商品と新奇な商品を定期的に打ち出すことにより客単価とリピーター率を向上させてインターネットの通信販売を強化する。

問題の階層を考える!
 短期的に売り上げを増進させる→商品を販売するのは人→人事戦略レベル
 人事戦略は、モラール向上と能力開発の視点で考える。
 モラール向上策は第3問で解答済み→今回は能力開発の視点で。

 能力開発→計画的・継続的な視点で行う。
  OJT(仕事を通じての技能継承)
  Off-JT(社外研修)
  自己啓発(奨励金、社内表彰制度と絡める)



以上から導き出した解答:
 題意:例2を使用
 組織・人事(能力開発)とマーケティングの視点
 能力開発の切り口はOJT、Off-JT、自己啓発

短期的に売り上げを増進させるため、①社外のコンサルタントによる社内研修や社内コンテストを活用した能力開発により販売員のスキルを向上させて販売体制を整備し、②高級スーパー向けの商品と新奇な商品を定期的に打ち出すことにより客単価とリピーター率を向上させてインターネットの通信販売を強化することを助言する。150字



 やっと、組織・人事事例が終わった。与件全文を見て欲しい。色のついた部分が解答で参考にした部分だ。全体に渡ってほぼ均等に色が付いていると思う。与件の文章に無駄な部分はないのである。もし、解答する上で参考にしていない部分がある場合は、解答の方向性が間違っている可能性があるので注意すべきだ。
 解答する上で最も重要な事は、設問の題意にしたがって素直に解くことである。なるべく、設問や与件に書かれている言葉通りに引用して解答をつくり、「A社社長」に対して診断結果を報告するのだ。