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2010年10月24日日曜日

2010年度中小企業診断士二次試験の問題全文をアップしました。

1.中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ(組織・人事)
 A社は、主に砂糖・油・小麦粉などの食品原材料を取り扱う一次問屋として事業を拡大してきた。現在、地方都市にある本社を中心に、国内11カ所の事業所ネットワークを通して、常温で保存できる食品原材料の供給を行っている。A社の資本金は8,000万円、近年の年商はおよそ170億円で、経常利益は年によって多少ぶれがあるものの2〜3億円と、ここしばらく増収増益傾向で推移している。A社の売上高に占める割合が最も大きな品目は砂糖である。砂糖業界に限ると、業界の企業規模は相対的に小さく、取引している二次問屋が1,000軒を超えるA社は国内でトップクラスに位置づけられる。社員数は125人で、定年を目前にしたあるいは定年延長じた社員の割合が高く、40〜50歳代の社員が少ないために、高齢の社員が退職した後、中心となるのは30歳代である。
 代表取締役のA社社長は、大学卒業後8年の銀行勤務を経てA社に入社した。首都圏の支店に配属され、東北、甲信越地域を中心に営業を担当した。40歳の時、父から引き継ぎ社長に就任した。先代は、すでに相談役に勇退している。
 伝統的に砂糖商社の商売は、生産者と売り手の取引を円滑に進めることで手数料を得る商売で、東京・大阪・名古屋などを拠点に、そこから代理店に対して商品を流通させていた。30年ほど前まで食品原材料商社は、相場が下がれば買い取って、上がれば売るというタイミングを計ることが重要で、それが一次問屋の役割であり、それさえうまく運んでいれば商売は安泰であった。しかし、現在ではそうしたビジネス・スタイルは一変している。
 従来は、二次・三次問屋のオーナー同士とのつきあいを通じて作られた人的ネットワークが重要で、地区ごとに「A社共栄会」といった親睦組織を設けて、年2回の温泉旅行を実施するなどオーナー同土のつながりを深めていた。A社のこうしたネットワークが磐石で大規模であったことが、業界で優位性を確保することができた要因の1つであった。しかし、食品原材料業界も顧客の価格志向が強くなり、ドライな感覚でビジネスをする顧客が多くなってきた。さらに、配送の頻度や便宜性など先方の細かな要求を充足することが求められるようになってきた。加えて、砂糖業界での企業間競争も激L くなっている。かつては、ナショナル・ブランドの大手食品メーカーが大手商社の領域であった。しかし、近年、大手商社が参入することのなかった中堅規模の食品メーカー市場にも大手商社が参入するようになってきた。大手商社は物流機能を充実させ、これまで培ってきた二次・三次問屋とのネットワークを強化すると同時に、末端の顧客まで直接攻めるようになってきた。A社でも首都圏の大規模市場におよそ10億円を投資して、支店と近隣の倉庫を統合した「倉庫兼物流センター兼支店」を構えた。
 A社はまた、近年、地方の有力店との連携を強化している。というのも、地方の有力店の経営が厳しさを増し、そうした取引先から救済を求められているからである。後継者問題で廃業に追い込まれたり、あるいは客のビジネスの進化についていけず機能不足に陥っているなどの問題を抱える有力店の友好的買収である。結果的に、こうした動きによって物流拠点を革新して効率性を高め、取引先だけでなく地元の末端顧客にとっても利益をもたらしている。A社が救済のために買収した二次問屋には、トップマネジャーこそA社から転籍させるが、そこで雇用されている従業員は、それまでと同じ条件で雇用することにしている。
 こうした経営環境の変化の中にあっても、A社は、長年にわたって伝統的な家族主義的経営を掲げて年功序列型の給与体系を適用してきた。食品原材料を取り扱う商売に往々にして見られることであるが、ある程度の商圏さえ持っていれば、あまりあくせくしなくともきちんと売り上げがあがってきたからである。しかし、取引先の倒産や転廃業が頻発する中で、ある程度新陳代謝を促していかないと存続すら危ういという不安があって、わずかながらではあるが成果主義的要素を取り入れた。もっとも、月額の生活給部分は年功序列を守り、ボーナスの部分に成果を反映させるといった程度のものである。
 他方、A社のもうひとつの動きは、先代がスタートさせた砂糖の自社加工の強化である。砂糖や小麦粉の仕入れルートの強みを活かして、事業領域を広げようという考えである。現社長の代になってからも、増員、さらなる設備の導入など経営資源を投入している。大手製糖メーカーが年間100万本以下では対応しないようなスティックシュガーや粉糖などの事業で、中小喫茶店チェーンなどをターゲットに10万本程度の少量でも対応するといったニッチな市場を狙った事業である。大手メーカーではリスクが高くコスト面でも合わないことから、以前は全国に中小加工場が事業展開していたが、衛生基準や品質を確保するためにユーザー側が自ら設備や管理を充実させざるを得なかった。そこに、A社がビジネスチャンスを見いだして新規事業として取り組んだのである。現在、この新規事業の売り上げは5%を占めている。
 変化が激しく厳しい経営環境の中で、A社は商社である以上、基本的にはどのような商材でも扱うことを前提にしている。しかし、主力事業として食品原材料供給を中心におくのは、食品は市場から消えることはないという考えからである。その一方で、A社では売り上げを伸ばしていくために、食品原材料以外の商材を取り扱っていくことを真剣に検討し始めているのも事実である。

第1問(配点30点)
A社が主力事業としている砂糖業界の環境変化と事業展開の変容について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
過去に成功してきた事業展開の中で、A社のような一次問屋にとって三次・三次問屋とのネットワークの構築が強みとなった理由について100字以内で説明せよ。
(設問2)
これまでの事業展開を継続することができなくなった経営環境の変化は、どういったものであるのか。A社の取り扱う食品原材料という商品特性を踏まえて、100字以内で説明せよ。

第2間(配点30点)
転廃業を迫られている地方の二次問屋に対してA社が積極的に進めている友好的買収に関連して、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社は、友好的買収を積極的に推し進めているが、その目的と効果について100字以内で説明せよ。
(設問2)
A社は友好的買収を進める際に、従来の従業員を継続して雇用することにしている。そのメリットとデメリットについて100字以内で説明せよ。

第3問(配点20点)
家族主義的経営を掲げるA社でも、近年の経営環境の変化の中で、成果主義的要素をわずかながら人事制度に取り入れるようになった。より成果主義的要素を強化した人事制度にすべきかどうかについて、中小企業診断士としてA社社長からアドバイスを求められた。成果主義的要素を強化した際のA社にとってのメリットとデメリットをどのように考えるべきかについて、100字以内で述べよ。

第4問(配点20点)
食品原材料商社であるA社が事業拡大のために、食品原材料以外の商材に手を延ばすべきかどうか、中小企業診断士としてA社社長からアドバイスを求められた。どのようなアドバイスをするかについて、100字以内で述べよ。



2.中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ(マーケティング・流通)
 B社は、地方都市であるI県Y市とその周辺地域に8店舗を展開する食品スーパーマーケットである。資本金3,000万円、年商は65億円である。現在の従業員数はパート、アルバイトを含めて250名である。B社の創業は1914年(大正3年)、現社長の曽祖父が乾物屋を開業し、やがて野菜、鮮魚、精肉など、取扱商品の品揃えを充実させ、食品全般を商う食品スーパーへと発展した。その後、 B社の経営は同族問で代々引き継がれ、1990年までに6店舗を擁する中堅スーパーとなった。
 その間、I県全体に大きく展開する地元の大型スーパーや全国規模の大手スーパーなどとの価格競争に巻き込まれ、多店舗展開がコスト増につながるようになり、次第に利益率の低下を招き、1995年度には大幅な赤字となってしまった。また、従業員の能力や成果も十分に評価されず、職場の士気にも影響を及ぼしていた。その織烈な競争環境にさらされていたその年に、現社長が父親からB社の経営を引き継ぐことになった。
 現社長は、早速B社の経営再建に着手し、徹底した組織内部の制度改革や環境の改善、取引先の見直しなどを行った。まず、同族経営にありがちな肥大化した取締役陣に対して、身内とのあつれきを覚悟で退任を要求し、経営陣のスリム化を図った。また、パートを含めた従業員に対しては、その能力を尊重した透明性のある昇給制度を導入し、給与体系も見直した。さらに、優秀なパート従業員に対しては、正社員への登用制度を作り、社員と区別なく能力を評価した。
 顧客とのトラブル対応については、各売り場責任者と一緒に基本的ガイドラインを作成し、それに沿って各売り場責任者に顧客対応の意思決定を任せた。また、各売り場に毎月予算を与え、売り場ごとのイベントを考えてもらうようにした。このことで各売り場に活気が溢れ、従業員の結束が強くなった。さらに現場の従業員から発信されるつぶやきやアイデアは積極的に取り入れ、それは、いつでも現社長と直接メールでコミュニケーションが取れるような関係を構築することで可能となっている。従業員を大切にすることによって、従業員からB社が愛される関係を築いてきた。
 さらに、創業当時からの長い付き合いのある仕入先も含めて、今までの人間関係の視点ではなく顧客視点に立ち、現在の住入先の精査を行い、その再構築を図った。
 曽祖父の代より、100年近く地元で生かされてきたB社であるからこそ、現社長は「経営の原点は、地元への感謝から」という経営哲学を持っていた。B社は、まず地元の中高年女性に注目し、売り場づくり、品揃えを工夫した。さらに、パートを含む従業員も地元の中高年女性を積極的に採用した。
 同時に、現社長は高齢者の単身世帯への宅配サービスを始めたが、ただ単に注文の品を届けるだけではなく、高齢者の不安、不便さの悩みを解決するために、B社にできることは何でも引き受け、御用聞きのサービスもするようにした。高齢者の単身世帯への訪問は、「安否確認」という別の役割を果たすことにもなった。このようなサービスを通じて、B社はさらに地元に深く根付いていくようになった。
 こうした経営努力によって、B社は単年度ごとに少しずつ収支のバランスが改善されるようになった。現社長が経営を受け継いでから2005年までに2店舗を増やし、安定した利益を確保できるようになった。
 さらに、標準化された顧客対応ではなく、B社だからできる顧客対応を考えた。前社長の代より既に導入していた、買物100円で1ポイント(1ポイントは1円)付与する、「Bポイントカード」の機能を拡大して、顧客との絆づくりを強化した。
 現社長はもともとエコ活動に関心を持ち、使用済みペットボトル(廃ペット)やプラスチック容器などを自主回収して、業者への売却益を地元自治体に寄付していた。この売却益の収支報告は、B社のホームページ上に公開されている。さらに、地元自治体に協力して、B社の各店舗の入口近くに資源ゴミの集積所を無償で設置し、地元の顧客もこれを利用できるようにした。
 もともとY市の郊外は畑の多い地域であった。これまで生ゴミは畑や庭に埋めたり、焼却されることが多かったが、高齢化による農業世帯の減少と都市化の進展により、家庭で処理できない生ゴミが急に増えてきた。一方、行政コストは削減され、Y市やI県下の多くの市町村では専用のゴミ袋を有償で市民に購入してもらう方式で、ゴミの回収の有料化が開始された。
 現社長は、生ゴミのリサイクルに着目した。生ゴミを顧客から無料で引き取って堆肥化し、契約農家に肥料として提供し、有機野菜を生産してもらうという、生産から消費を循環するシステムを考案した。手始めに旗艦店で生ゴミを処理・堆肥化する機械を購入し、それを店頭の資源ゴミの集積所の隣に設置した。他の店舗では従業員が生ゴミを受け取り、回収して旗艦店まで運ぶこととした。堆肥は契約農家に無償で提供され、農家が栽培する有機野菜を店頭で販売した。
 顧客の生ゴミの持ち込みに対して、現社長は新たに「グリーンポイント」という制度を考案し、そのポイントを地元自治体に還元することにした。生ゴミを回収するごとに、2ポイント(1ポイントは1円)「グリーンポイント」が発生し、この「グリーンポイント」はB社の店舗のある地元自治体への寄付となり、緑化事業と公園整備に使われる。
 旗艦店での「グリーンポイント」の集計は、顧客が生ゴミを持ち込むときに自分の「Bポイントカード」を生ゴミ処理機横の「ポイント集計機」に差し込み、処理機の秤に生ゴミを置くとポイントが表示され、生ゴミ投入口が開くようになっている。処理機の置いていない店舗では、「ポイント集計機」だけ設置され、従業員に渡す時に「ポイント集計機」にカードを差し込むことになる。ちなみに、生ゴミの処理能力の問題もあり、ゴミの持ち込みは「Bポイントカード」1枚につき、1日1回に制限している。
 現社長は、さらにB社でレジ袋の有料化を行い、顧客から集めたその代金(原価の2円)も「グリーンポイント」として蓄積し、これも自治体への寄付としている。この「グリーンポイント」の寄付報告は、廃ペットと同様に、 B社のホームページ上に公開されている。
 また、マイバッグを持って、レジ袋を辞退する顧客に対しては、「Bポイントカード」に買物のポイント以外に2ポイントを還元している。レジ袋の辞退率は年々増加し、70%を超えるまでになった。

第1問(配点10点)
B社の現社長は、経営再建策の1つとして、仕入先の精査を行ったが、具体的にはどのようなことを実施したと考えるか。80字以内で答えよ。

第2問(配点30点)
大手スーパーなどへの差別化として、B社の現社長は 2つのターゲット・セグメントを設定した。そこでB社が採用した戦略は各々のターゲットにどのような便益を与えようとしたのか。それぞれのセグメントごとに100字以内で答えよ。

第3問(配点10点)
B社の現社長は、従業員の能力を引き出すためにインターナル・マーケティングを展開した。実際にどのようなインターナル・マーケティングを行ったのか。50字以内で2つ答えよ。

第4問(配点20点)
B社の現社長は「Bポイントカード」の機能を拡大した。それは顧客にどのような便益を与えようとしたのか、50字以内で2つ答えよ。

第5問(配点30点)
B社の現社長がエコ活動を続けようとしているのは、B社の経営上、どのような効果を狙っているのか。2つの視点から具体的にそれぞれ100字以内で説明せよ。



3.中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ(生産・技術)
【C社の概要】
C社は資本金9,000万円、従業員125名、年間売上高約24億円で、完成車メーカーを頂点とする自動車部品業界では2次部品メーカーである。C社の組織には、総務および経理機能を担当する総務部、金属プレス加工を行う金属プレス部、樹脂成形加工の樹脂成形部、設備メンテナンスおよび樹脂成形用・金属プレス用金型製作の生産技術部、そして製品品質の全社的管理を担当する品質保証部がある。製品開発や営業を専任する部門はなく、新規営業開拓は社長自ら担当し、受注後の開発・設計、日常の受注などの業務は、金属プレス部および樹脂成形部がそれぞれ担当している。
 現社長の父親が創業し、家電製品の金属プレス加工部品の生産からC社は出発した。現社長が生産部門の役員となってから、加工技術の向上を目指したプレス加工技能者の育成、加工品質向上のためのプレス金型の内製化、そして設備の改良・改善によるコストダウンを図るなど、社内改革を実施してきた。さらに、ISO9001の要求事項に従った品質マネジメントシステムを構築して品質保証の標準化を、そしてISO14001の要求事項に従った環境マネジメントシステムを構築して環境管理の標準化をそれぞれ達成している。このようなC社の活動は取引先の家電メーカーからも高い信頼を得て、樹脂金型の製作技術を含む樹脂成形加工技術の供与を受け、家電部品事業は拡大した。
 ところが、家電製品の生産が国内から海外に移転し、それに伴って部品も現地調達化され、C社の受注が激減した時期がある。現社長は、家電業界の海外生産移転を早くから予測し、将来の事業の方向性を探っていた。ちょうどその時期に、それまで取引していた家電メーカーの幹部から、自動車部品メーカーX社の紹介を受けた。その際、X社からは、金属プレス加工および樹脂成形加工の両部門を有していること、それらの金型が内製化されていること、そして生産設備の改良・改善技術を有していることなどが評価された。これをきっかけとして、さらに社内技術力の向上を図り、自動車業界での新規受注を計画し、時間をかけて自動車部品メーカーにC社を転換させた。現在も家電部品の受注はあるが、ごくわずかになっている。
 家電部品に代わり、現在の主な生産品目は自動車の駆動制御系部品および電子制御系電子部品に使われる金属プレス加工品と樹脂成形加工品であり、1次部品メーカー2社 (X社およびY社)から受注、生産、納品している。 X社とY社は異なった国内完成車メーカーの系列にある。X社からは駆動制御系部品を構成する金属プレス加工品と、電子制御系電子部品の樹脂成形加工品の受注を、そしてY社からは電子制御系電子部品の樹脂成形加工品と金属プレス加工品の受注を得ている。C社の売り上げの構成は、X社約40%、Y社約30%、その他約30%(金型受注販売15%、家電・その他15%)となっている。
 C社の近年の業績は、国内自動車生産台数の停滞、海外工場での部品現地調達化などの国内完成車メーカーの動向に影響されて、受注量の減少傾向が続いている。また、ハイブリッド車、電気自動車の普及によって、金属プレス部品である駆動制御系部品の需要が減少する恐れもある。

【取引先からの協力要請による事業計画】
 現在、取引先である1次部品メーカー2社からそれぞれ新たな生産協力などを迫られている。
 1つはY社から生産設備および工程の移管計画である。この移管計画は、Y社と協力して生産リードタイムを短縮すること、そしてコストダウンを図ることの2つを目的にした計画である。これまでC社で樹脂成形加工および金属プレス加王を行い別々に納品し、Y社で組み立てをしていた電子部品の生産工程を見直し、Y社に代わってC社内で組立工程までも行えるようにするものである。この組立工程は、これまで「金属プレス部品の前処理」⇒「樹脂成形部品への装着」⇒「接着」⇒「検査」の4工程で、それぞれ専用設備にオペレーターが付いて行われ、加工工数が多く、しかも高度な技術を要する組立工程である。この移管計画についての協議では、Y社から以下の内容を提示されている。
①早期に品質を安定させて量産化ができるように、Y社から生産技術者を派遣し、組立工程の技術指導を行う。
②組立後の部品納入単価は、従来のY社での製造原価の15%削減を見込む。
③ 生産移管の目的を達成するために、両社間で生産管理に関する情報を共有する。
 この移管計画で最大の問題は、Y社から提示されている厳しい契約単価である。以前からこの部品加工時の材料歩留まりが悪いことも指摘されており、現状の生産方法を続けるだけではC社が十分な利益を確保するのは難しい状況にある。Y社とC社では、この移管計画を機に、製品設計変更なども含むVE提案を完成車メーカーに対して行うことも検討している。
 もう1つは、X社からの中国進出の要請である。X社はこれまで海外生産を行ってこなかったが、中国国内での生産拡大を狙う完成車メーカーから中国進出の要請があった。そこで生産される部品にC社の加工品が使われ、加えて中国国内では得にくい金型技術が高く評価され、X社とともに中国進出をしようというものである。すでにC社も中国沿海地域に工場用地を確保し、X社の駆動制御系製品の組立工場に隣接して、C社が金属プレス加工工場と金型工場を建設し金属プレス部品をX社の組立工場に供給する計画である。資金面では金融機関の協力が得られることになり一定のめどが付いているが、さらに具体的計画立案のためにX社と協議を進めている。

第1問(配点20点)
自動車業界におけるC社の強みを(a)欄に、弱みを(b)欄に、2つずつ、それぞれ20字以内で述べよ。

第2問(配点40点)
Y社から迫られている生産設備および工程の移管計画は、現在具体的な協議が進められている。
(設問1)
この計画で最も大きな問題は、Y社から提示されている厳しい契約単価である。この計画でコストダウンを行い、利益を確保するために必要な具体的方法を120字以内で述べよ。
(設問2)
この計画の実施によりC社の生産現場に混乱が予想される。予想される混乱の内容を(a)欄に60字以内で、またその対策を(b)欄に100字以内で、それぞれ述べよ。

第3問(配点20点)
Y社からの生産設備および工程の移管計画には、①生産リードタイムの短縮、②コストダウンの 2つの目的がある。これらの目的を達成するためにY社と共有化すべき生産管理に関する情報は何か。目的①、②について具体的情報データ項目をそれぞれ20字以内であげよ。

第4問(配点20点)
X社からの要請による中国進出計画が進展している。この計画に関してC社の技術を生かした独自の経営の方向性と対応策について、中小企業診断士としてどのようなアドバイスをするか、140字以内で述べよ。



4.中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務・会計)
 D社は地方都市に本社をおく、資本金2.5億円、総資産約37億円、売上高約48億円、従業員79人の電子部品のメーカーである。D社はインダクタ(コイル)をはじめとした電子部品を製造している。工場は本社の近くの工業団地に位置し、本社との密接な連携と、顧客の要求に対する迅速な対応はD社の強みのひとつでもある。D社は積極的に技術開発と設備投資を行うことによって、製品の小型化・高性能化と安定した品質を実現し、顧客である大手メーカーからの信頼を得てきた。そのため、受注は安定的で収益も高く、獲得した利益を内部留保として、これを設備投資に振り向けて成長してきた。
 情報機器を生産している大手メーカーZ社は、D社の主要な顧客であり、Z社向けの部品Qは、D社の売り上げの多くを占めている。D社では部品Qの長期的な受注増を予想しており、現在の生産能力には余裕がある。一方で、価格競争力の観点から平成20年度までに、遊休資産の売却等全社的に大規模なリストラクチャリングを断行した。
 しかしながら、Z社の最終製品の価格下落にともなって、Z社から部品Qの納入価格の大幅な引き下げを要求されている。D社の取締役会では、この要求にいかに対応すべきかが議論されているが、売り上げの多くをZ社に依存しているだ悶に問題は深刻である。しかし、すでに述べたように大規模なリストラクチャリングを行ったので、さらなる固定費の削減は望めない状況にある。また、生産技術部からは、現状の設備では大幅な変動費の削減は困難であるとの報告があった。
 平成21年度のD社の財務諸表及び同業他社(業界中位)の財務諸表は次のとおりである。
 以下の問題に答えよ。なお、計算の結果は小数点第3位を四捨五入せよ。

貸借対照表
(単位:百万円)
,D社,同業他社, ,D社,同業他社
資産の部, , ,負債の部, ,
流動資産,1969,1341,流動負債,1547,1005
現金等,701,461,支払手形・買掛金,711,541
受取手形・売掛金,615,429,短期借入金,615,371
有価証券,71,28,その他流動負債,221,93
棚卸資産,451,351,固定負債,832,913
その他流動資産,131,72,長期借入金,729,836
固定資産,1687,1517,その他固定負債,103,77
土地,359,383,負債合計,2379,1918
建物・機械装置,922,557,純資産の部, ,
その他有形固定資産,7,54,資本金,250,200
投資有価証券,399,523,利益準備金,62,50
, , ,別途積立金,121,17
, , ,繰越利益剰余金,844,673
, , ,純資産合計,1277,940
資産合計,3656,2858,負債・純資産合計,3656,2858

(単位:百万円)
,D社,同業他社
減価償却累計額,468,451

損益計算書
(単位:百万円)
,D社,同業他社
売上高,4799, 3675
売上原価,4116,3160
売上総利益,683,515
販売費・一般管理費,443,394
営業利益,240,121
営業外収益,62,44
(うち、受取利息),(5),(3)
営業外費用,88,103
(うち、支払利息),(69),(61)
経常利益,214,62
特別利益,22,18
特別損失,150,45
税引前当期純利益,86,35
法人税等,34,14
当期純利益,52,21

(単位:百万円)
,D社,同業他社
従業員数,79,68

第1問(配点40点)
D社の平成21年度の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比べたこの企業の財務上の長所または短所のうち、重要と思われるものを3つ取り上げよ。その各々について、長所または短所の根拠を最も的確化示す経営指標を1つだけあげて、その名称を (a)欄に示し、経営指標値を計算して(b)欄に示した上で、その長所または短所について、 D社のこれまでの経営状況に照らして(c)欄に60字以内で説明せよ。

第2問(配点25点)
営業部からの報告によれば、Z社は部品Qの納入価格の20%引き下げを要求している。さらにZ社からは、納入価格を現在の価格より30%引き下げることができれば、今後は仕入れ先をD社に一本化し、発注量を2倍にする案が提示されている。部品Qの現在の売上高は2,823百万円、変動費は 1,129百万円、固定費は 1,640百万円である。
なお、現状の生産能力には十分な余裕があり、生産技術部からは、部品Qの納入量を2倍にしても、その原価構造は現状と変化がないと報告されている。
(設問1)
部品Qの損益分岐点図表は次ページに示されたとおりである。
①納入価格を20%引き下げた場合、②納入価格を30%引き下げた場合のそれぞれについて、解答用紙の損益分岐点図表に総費用線を描け。また、①および②の場合の損益分岐点売上高を所定の解答欄に求めよ(単位:百万円)。
なお、総費用線を描く際には、2つのケースを区別するため、①の場合を破線(…)、②の場合を実線(−)で表すものとする。
定規がない場合、フリーハンドでもよいが、始点、交点、終点等のうち重要なものは明確にすること。
送信者 Y-Phrases

(設問2)
D社はZ社から提示された案のうち、どちらを受け入れるべきか、その理由とともに60字以内で解答せよ。

第3問(配点20点)
仮に部品Qの納入価格の30%引き下げを受け入れた場合について、生産技術部より製品原価の引き下げを主眼とする設備投資に関する報告が得られた。これによれば、設備投資(5億円)を行って、新たな生産方法を取り入れることにより、変動費を初年度は現状に比べ3%、第2年度以降、第5年度までは現状に比べ7%削減することが可能になる。なお、この設備投資によって不要になる生産設備はない。設備投資資金の原資としては内部留保を予定しており、資本コストは6%で、割引計算のみに使用する。設備の耐用年数は5年で5年後の残存価額をゼロ、5年後の処分価値をゼロとして定額法によって減価償却を行う。なお、金利r = O. 06とした場合の年金現価係数Σ[1/(1+r)^t]は3.4651であり、法人税等の実効税率を40%と仮定する。また、すべてのキャッシユフローは期末に発生するものと仮定し、設備投資に伴う運転資本の増減はないと仮定する。
(設問1)新たな生産方法を採用し、部品Qの受注量が2倍になった場合、この設備投資の NPV(正味現在価値)はいくらになるかを(a)欄に解答せよ(単位:百万円)。また、第2年度以降の損益分岐点売上高はいくらになるかを(b)欄に解答せよ(単位:百万円)。
(設問 2) D社は、現状の生産方法で生産を続けるべきか、それとも設備投資を行い新たな生産方法を採用すべきか、理由を含めて60字以内で解答せよ。

第4問(配点15点)
D社では、かねてから、将来的にも部品Qの受注が増加すると予想していた。そこで数年前より部品Qの増産に向けて新工場の建設プロジェクトを立ち上げ、社内で検討してきた。D社の製品は品質の面で他社より優位な立場にある。そこで新工場では、さらなる価格競争にも対応できる生産設備を導入することにしている。Z社からの受注増を受け入れるのであれば、このプロジェクトが実施される公算が大きい。
平成25年度末の工場建設関始に向けて、余剰資金の一部を国債で運用することを計画している。新工場建設に伴う投資規模は約8億円と推定されている。先頃すでに 5年後満期の利付国債を3.6億円購入した。手元資金のうち2億円についても同様に利付国債での運用を検討している。
(設問1)
金利が上昇した場合に保有債券の市場価値にどのような影響が出るかを20字以内で説明せよ。
(設問2)
設問1の影響を軽減するための方策を30字以内で提案せよ。

2010年10月16日土曜日

Twitterのまとめ(中小企業診断士)

診断士試験全般
  • 診断士の試験は、あきらめなければ受かる。大事なのは、今の自分に足りない物を分析して、今より実力をつける事だ。TEFCASだよ。試行と改善を続け、最後に成功を掴むのさ。2009年12月11日(金)
  • ※TEFCASとは、試行(Trial)、実行(Event)、フィードバック(Feedback)、チェック(Check)、調整(Adjust)の段階を進み、成功(Success)へ向うという考え方。2009年12月11日(金)
  • 診断士の試験は、基本点と付加点に分けると考え易い。基本点は60 点分で題意と制約条件に愚直に答えることで獲得できる。付加点は40点分で専門的なキーワードなどで獲得できる。1年で合格できる人は、題意に沿って素直に答えているのだと思う。多年度受験生は、付加点の勉強に力を入れすきだ。2009年12月12日(土)
  • そうそう、診断士は社労士のような合格証書が届かない。2次合格通知は登録の時に提出しなければならないから、手元に残るのは名刺サイズの登録証のみ。なんとも淋しいことだ。合格通知書を手元に残したいなら、紛失届を出して代わりの書類を取得しておこう。2009年12月12日(土)
  • 診断士の予備校はもう決まりましたか?予備校にはそれぞれ特徴があるので、私見でポジショニング。まずフレームワーク志向のA社とローリスクメソッドのTA社は左右対象的な配置。上下軸に初心者向けのO社、プロ向けの TB社。真ん中へんにL社とMA社。A社と近いが少しT社よりのMM社。2009年12月21日(月)
  • 自分の結論としては、予備校で教えていることはどこでも変わらない。題意と制約条件に対し、素直に答えることだけだ。ただし、解答へのアプローチが予備校毎に特徴があるのだ。T社のローリスクメソッドで結果が出ないなら、対極にあるA社のフレームワークへと視点を変えてみるのも一つの手だと思う。2009年12月21日(月)
  • ではどこのポジショニングが最も良いだろうか?自分としては、TB 社の位置だと思っている。しかし、この位置に行くのは初心者では難しい。模範回答も書ける気がしないのだ。やはりT社やA社の位置から攻めて、よりプロ志向の回答に近付ける方が良いと思う。因みにMM社の回答が好きだったりするが。2009年12月21日(月)
  • 診断士二次試験の傾向。新制度移行時から徐々に難化する。平成13年度〜17年度は平成16年度で難化のピークを迎え、新制度移行の準備を行う17年度で易化。初年度18年度も比較的簡単な問題だった。この傾向に従えば、去年が難化のピーク、新制度移行準備の今年が合格の狙い目。2010年07月16日(金)

一次試験
  • 診断士の一次試験が近いね。直前期は、白書、白書、施策、白書だ。覚えれば、すぐに点数が伸びるから。診断士は総合点勝負。2010年06月18日(金)
  • 診断士試験で白書関連の勉強に不安がある人は、TBCの山口先生の参考書がオススメだよ。中小企業白書の完全攻略かクイックマスターの中小ね。この先生の白書講義は素晴らしい。2010年07月20日(火)
  • 診断士試験のキー科目は、経営法務だね。この科目は、会社法の部分をしっかり勉強して確実に得点することが大事。後は、新しいものには手を出さず、答練の復習をしっかりやろう。長文の問題は、時間がかかるわりには得点できない。特許関連のの長文問題は、正解したことなかったな〜。2010年07月21日(水)
  • 明日は、診断士一次試験の一日目だね。誰でも解ける問題を落とさないようにすれば、合格点に届くはず。焦らず簡単な問題から解いていこう。一日目が終わっても採点はするなよ。二日目まで我慢だ。なんだったら、二次試験まで我慢したって良いぐらいだ。2010年08月06日(金)
  • 診断士試験一日目、お疲れ様でした。答え合わせはしてないよね?なんだあ、しちゃったの?今日の事は忘れて明日に集中だよ。今日すべきは次のいずれか。一つ目は、明日に備えて早く寝ること。二つ目は、気持ちを安心させるために、白書のグラフとそのサブタイトルを簡単に見直すことだよ。2010年08月07日(土)

二次試験
全般
  • 二日間の診断士試験、お疲れ様でした。今日はゆっくり休んで、明日から二次試験の勉強を再開して下さい。もし一次試験の基準点を達成できなかったとしても、二次試験の勉強は必ずやって下さい。短期合格を考えるなら、今年の一次合格者と同等以上の二次対策をする必要があります。頑張れ。2010年08月08日(日)
  • 一次と二次の間の時間は勉強を休まないで、二次試験の勉強をすることが短期合格の秘訣です。2010年08月10日(火)
  • 診断士試験、一次試験の解答が発表されたみたいですね。一次試験が残念な結果だった方も二次試験の勉強は続けてね。だってこの時期しか二次試験に集中できる時間無いでしょ?2010年08月10日(火)
  • 皆んな、診断士の二次勉は進んでる?事例問題をどのくらい解けば良いか悩む人もいると思うけど、最低3年分の過去問を3回位は繰り返し解いた方が良いと思う。100事例解けば合格するという都市伝説もあるけど、違う問題を解くよりも同じ問題を改善しながら解く方が気づきが得られるよ。2010年08月15日(日)
  • 事例問題の解き方は、1.題意を書き出す。2.制約条件を書き出す。3.設問にある「〜のために」という部分を決め台詞にする。4.与件文より設問に適した事例企業の弱みや強み、市場のニーズや競合との差別化部分を書き出す。5.設問間の一貫性を考える。という感じかな?2010年08月15日(日)
  • 合格者が使いこなしているキーワードはそんなに多くはない。いかに設問文や与件文の言葉をまとめるかがポイントだね。AASの合格体験記はすごくタメになるから、精読した方が良いよ。ここにある再現答案が受験生レベルの80分で書ける答案。http://bit.ly/cFH8Ke 2010年08月15日(日)
  • 事例問題の一行分の文字数って知ってる? 38文字だよ。一行分マーキングしても解答に引用できる部分は、その四分の一くらい。 時間管理はできてる? 考える時間を30分と考えると、書く時間は設問10点分に対して5分だよ。2010年08月16日(月)
  • 切り口にこだわる人がいるけど、SWOT分析してるんだから、外部と内部の切り口だけでも充分戦えるはずでしょう?2010年08月18日(水)
  • 模試の試験結果は、総得点をみて判断するのではなく、設問毎に6割取れているかどうかを見るんだよ。6割に満たなかった解答を模範解答を見ながらブラッシュアップしよう。2010年09月23日(木)
  • 診断士2次試験まで20日を切ったわけだけど自分の解答スタイルは固まった?財務事例は経営分析とCVP分析、CF計算書を完璧にマスターすること。他の事例は問われたことに与件の言葉を使って素直に答えること。この基本さえマスターすれば得点の半分はとれる。後は因果関係を磨くだけ。2010年10月04日(月)
  • 俺のブログに「各事例の対応方法」ってあるでしょ?俺はココに書いてある知識だけで受かったようなもんだよ。結局最後は、AAS名古屋のS代表が言っている通り「問われたことに問われたように」解くだけなんだよね。2010年10月04日(月)
  • 解答ってね、誰かに客観的に見てもらわないと良くならないんだよ。受験仲間は自分のことで精一杯で、アドバイスをしてあげらるほど余裕ないでしょ?だから合格者に自分の解答を見てもらうって貴重なことだと思うんだ。2010年10月05日(火)
  • 文章表現を分かりやすく書くだけで、今より得点が10点はアップしますね。2010年10月08日(金)
  • フレームワークを重視するより与件と設問の題意、制約条件を重視して解答を作成して下さい。2010年10月09日(土)
  • 診断士の試験はジグソーパズルのようなもの。設問から外枠を作り、与件に散らばったピースを一つひとつ合わせて行くと、解答という絵が浮かび上がってくる。2010年10月09日(土)
  • 診断士の試験を自分で作ることを考えてみて。どうやって作る?まず全体のストーリーを考えながら設問を作る。次にその解答を作って、最後にその解答を導き出せるような与件文を作る。解答しやすいようにわざわざ表現を使って強調する。だから解答に使う言葉は設問と与件文の中にあるわけ。2010年10月14日(木)
  • 物事には必ず理由がある。何気なく読んでいる本も1行の文字が長いときには行間を広く開けて読みやすいように工夫している。些細なことでも理由があるのだ。あなたの書く人生をかけた解答は客観的に見て誰もが納得できるものか?その理由に妥当性はあるか?因果関係をもっと大事にしたい。2010年10月15日(金)

組織
  • 組織事例は、AASのフレームワークが俊逸。シンプルだけど強力。最近の事例問題でマーケにブレる事があるけど、フレームワークを意識したらマーケに振られる事が無い。組織事例のはじめの一歩は、組織構造のメリットとデメリットを覚える事。機能別組織のメリットってすぐ言える?2010年08月21日(土)
  • 組織事例は組織構造、組織文化、能力開発、モラールの向上で切り分ける。組織構造は、機能別組織、事業別組織、マトリックス組織のメリットとデメリットを考えてA社に合った組織構造を提案する。基本は、機能別組織のデメリットを指摘して事業別組織のメリットを活かした体制を構築する。2010年09月16日(木)
  • 機能別組織のメリットは、各部門の専門性向上、命令系統の一元化、規模の経済性の追求。デメリットは、部門間のセクショナリズム、トップの負担増大、意思決定の遅れ。2010年09月16日(木)
  • 事業別組織のメリットは、意思決定の迅速化、利益責任の明確化、経営人材の育成、トップは戦略に専念できる。デメリットは、事業部間連携の低下、経営資源の重複、短期的利益の追求、全社利益より事業部利益を優先。2010年09月16日(木)
  • マトリックス組織のメリットは、環境変化への柔軟な対応。デメリットは、部門間調整の複雑化、命令系統の混乱。2010年09月16日(木)
  • 組織文化の切り口は、バーナードさんだよ。バーナードの組織成立3要素:共通目的、貢献意欲、コミュニケーション。2010年09月16日(木)
  • 能力開発の切り口は、OJT、off-JT、自己啓発。計画的、継続的視点で解答しよう!2010年09月16日(木)
  • モラールの向上は、ハーズバーグさんだよ。動機づけ衛生理論。動機づけ要因:達成すること、承認されること、仕事そのもの、責任、昇進など。衛生要因:会社の政策と管理方式、監督、給与、対人関係、作業条件など。2010年09月16日(木)

マーケティング・流通
  • マーケ事例は、B社の強みを市場のニーズに対応させる事例だよ。だから中小小売の強みが何なのか理解しないとダメ。ネタ本「スモールビジネスマーケティング」にはそのことが記載されている。2010年08月20日(金)
  • マーケ事例では中小小売やサービスの強みを捉える事が重要だよ。スモールビジネス・マーケティングでは目に見えない資源の「専門知識・独自の経験、ノウハウ・技術、顧客の信用・ブランド」を中小の強みに挙げている。この強みを市場のニーズにマッチさせて大手競合との差別化を図るわけ。2010年09月20日(月)
  • マーケ事例におけるサービス業の特性は覚えている?無形性:品質評価が難しい、不可分性:生産と消費が同時に発生する、変動性:習熟度により品質が変動する、消滅性:在庫ができない。なかでも変動性は重要だよ。サービスを変動させないために社員教育やマニュアル化をしているからね。2010年09月21日(火)
  • サービストライアングルの切り口はまとめた?エクスターナル・マーケは「商品戦略、サービス戦略、需給調整戦略」、インターナル・マーケは「インセンティブ、能力開発・教育訓練、マニュアル・標準化」、インタラクティブ・マーケは「サービス・エンカウンター、顧客満足度の向上」だよ。2010年09月21日(火)

生産・技術
  • 苦手意識の強い生産事例。実は一番対応しやすい。パターンが決まっているからね。始めに生産面と営業面の強みをまとめ、次にC社の弱みを改善する。最後は生産情報を活用して顧客対応を改善する。弱みは全て克服するよ。2010年08月18日(水)
  • 生産事例ではQCD(品質・コスト・納期)が重要といわれるけど、中小企業で最も重要なものは何かわかる?製品の品質が良いのは当たり前のことだし、コストも大企業が大量生産で標準品の価格を下げているから中小では太刀打ちできない。なので中小企業が納期で勝負するのは自明なわけ。2010年09月22日(水)
  • だったら生産事例では、あらかじめ短納期ができるようような生産管理手法をあらかじめ考えておけばいいんじゃない?2010年09月22日(水)
  • 短納期にするための工程管理を考えると、生産計画面では期間別計画(大・中・小日程)、要素別計画(手順・工数・負荷)を考慮に入れて、「生産能力を適切に把握して負荷を平準化した生産計画に改善する」なんてどう?2010年09月22日(水)
  • 短納期にするための工程管理を考えると、生産統制面では進捗管理・余力管理・現品管理を考慮に入れて、「工場の進度情報、余力情報をデータベースで全社的に一元管理することにより納期管理を強化する」なんてどう?2010年09月22日(水)
  • あとは、多能工化、工程負荷の平準化、ラインバランシングなんて3点セットで覚えておくといいよね。「多能工化により、生産ライン上に割付けられた各工程の作業時間のバラツキを減らし、作業負荷を平準化する」なんてどう?2010年09月22日(水)
  • 外注管理面ではカムアップシステムの導入も考えられるよね?あえてカムアップシステムというキーワードを使わずに「外注先に対して納品の督促を定期的に行い、納期遅れを未然に防ぐシステムを導入する」と書いてC社独自の製品や特徴を記述すると、より具体的な提案になるよ。2010年09月22日(水)

財務
  • 財務事例の対策にイケカコノートは有効。試験までに関係箇所の例題を一日一問づつ解くべし。2010年08月10日(火)
  • 覚えてほしい電卓ワザ。利益率計算編。まず売上高を押して次に「÷」「÷」と2回押すと売上高が分母に設定される。続けて「売上総利益」「=」、「営業利益」「=」、「経常利益」「=」と押すと利益率が連続計算できる。2010年08月17日(火)
  • 財務事例は経営分析につきる。問題ある経営指標を与件と照らし合わせて特定し、残りの設問で問題解決していく。経営指標は、開始3分で代表的なものをパパッと書きだそう。毎年イケカコノートに関連する問題が出てる。2010年08月19日(木)
  • 財務でおススメの講座はMMCの「直前:財務事例徹底特訓講座」。ネタ本「管理会計の基礎」や「イケカコ」を研究して問題が作られていると思われる。1事例でCF計算書を2期分計算させるのはココだけでしょう。CF計算書は財務CF→投資CF→営業CFと下から計算するのがポイント。2010年08月19日(木)
  • 事例4の問1は書き方にパターンがある。選択する指標は収益性の利益率と、資産効率性の回転率と、安全性の流動比率か自己資本率で説明がつくから後はその理由を書けるようにすればイイね。2010年09月26日(日)
  • 収益性は、製品の低価格化が与件で記載されていれば総利益率、人件費や販管費がらみだと営業利益率、有利子負債を指摘したいなら経常利益率を選択するよね?2010年09月26日(日)
  • 回転率は、在庫の問題を指摘したいのならば商品回転率や棚卸資産回転率を選ぶし、有形固定資産の過剰投資を指摘したいのなら有形固定資産回転率を選ぶ。また、売掛金の支払いサイトが長いのならば、売上債権回転率を選ぶ。2010年09月26日(日)
  • 安全性は、キャッシュが足りない場合は、流動比率や当座比率を選ぶし、借入金が多い場合は自己資本比率を選択する。2010年09月26日(日)
  • 管理会計面での解答では、損益分岐点分析は固定費や変動費率、限界利益率などの分析結果を記述する。キャシュフロー分析は営業活動、投資活動、財務活動の3面から記述する。2010年09月26日(日)

口述試験
  • おはようございます。口述試験、もうすぐですね。笑顔で終われば合格です。aasのホームページで口述試験の体験談が掲載されています。また、過去の合格体験談を見ることが出来るので、再出発する方もモチベーションアップにどうぞ。私の再現答案も晒されています。2009年12月14日(月)
  • 明日は診断士試験最後の口述試験ですね。まあ、誠意を持って受け答えができれば合格でしょう。2分間で答えなさいと言われているのに短い回答で淡泊に答えたり、投げやりな態度で答えないかぎり大丈夫。相手も診断士。口述試験までの苦労を知っている先輩ですからね。合格の切符を渡すための試験です。2009年12月19日(土)
  • 口述試験が終わったら、実務補習ですね。でも、独立を考えてない方はすぐに15日受講しなくても良いと思います。診断士に登録すると資格の維持が大変になります。登録までに3年あるので、1年に5日毎受講して、3年をフルに使った方が良いかもしれません。ま、早く登録したい気持ちも分かりますが。2009年12月21日(月)

2010年8月26日木曜日

ブログの記事をPDFにまとめました。

久しぶりの更新!

中小企業診断士関連の資料をPDFにまとめました。
二次試験の参考にして下さい。

事例問題への対応方法

もしよろしければ、ダウンロードしたことをコメントに残してくださいね。
あなたの一言がブログを更新する励みになりますので。
試験勉強の助けになればうれしいです。

2010年6月19日土曜日

中小企業診断士関連の記事を整理しました。

Y-Phrases更新!
平成21年度の解答を終了したので、一連の記事を整理しました。
サイドバーのMenuに診断士リンクを張って、各記事へのアクセスを改善しました。

2010年6月17日木曜日

平成21年度 財務 問題

与件全文
 D社は、資本金1億円、総資産約50億円、売上高約56億円、従業員80人の企業で、ファッション性の高いスポーツウエアの製造及び販売を行っている。本社を中核都市の駅前に構えており、生産はその郊外にある自社工場で行っている。D社は高い縫製加工技術による自社製品に定評を有しており、その技術力から国内大手のY社より有名ブランド品のOEM生産を受託している。主力製品はY社向けの有名ブランドスポーツウエアで、日本製の高品質・高機能が消費者に支持されており、海外での生産は行っていない。他方で自社ブランドを立ち上げ、最近では米国等への海外輸出も手がけている
 D社の取締役会では、各国の経済状況に伴う売上高の変動リスクが経営の課題として繰り返し議論されている。D社の主力製品は発注元のY社で販売されるが、先進国だけでなくアジア諸国でも順調に売上高を伸ばしている。しかし、スポーツウエアの売上高はもともと景気変動の影響を受けやすいため、特に成長市場であるアジア諸国での売上高変動は経営者にとっての関心事である。近年の経済のグローバル化に伴う影響がD社にとっての経営上の大きなリスクとなっている。
 D社の本社は創業当時より現所在地にあるが、事業の拡大に伴って手狭になったため隣地の中古不動産を買い増ししてきた。本社社屋の減価償却後の簿価は7億円である。本社社屋の一部は老朽化しており、建て替えも検討しなければならない時期を迎えている。一方で駅前の再開発事業も進んでおり、本社付近も一体開発される可能性がある。
 D社では、本社(土地及び建物)を平成21年度期首に売却してオフィスを賃借すると同時に、本社の管理業務の一部をアウトソーシングすることを検討している。本社を売却した場合、18億円の手取りのキャッシュフローが得られるので、これを全額負債の返済に充当する。オフィスの賃借料は年4,500万円であると推定される。また、本社の管理業務の一部を年間委託費6,000万円(固定費)でアウトソーシングすることによって、従来発生していた販売費及び一般管理費(減価償却費を含む)のうち3億円を削減することが可能である。
 平成20年度のD社の財務諸表及び同業他社の財務諸表は次のとおりである。

(単位:百万円、数字は「D社/同業他社」)

貸借対照表
資産の部
 流動資産 2,659/2,645
 現金・預金 631/510
 受取手形・売掛金 961/969
 有価証券 153/142
 棚卸資産 789/836
 その他流動資産 125/188
 固定資産 2,353/1,640
 土地 1,034/567
 建物・機械装置 1,086/539
 その他有形固定資産 21/6
 投資有価証券 212/528
資産合計 5,012/4,285

負債の部
 流動負債 1,938/1,834
 支払手形・買掛金 924/839
 短期借入金 663/785
 その他流動負債 351/210
 固定負債 1,793/1,189
 長期借入金 1,626/1,103
 その他固定負債 167/86
負債合計 3,731/3,023

純資産の部
 資本金 100/72
 利益準備金 25/18
 別途積立金 1,075/1,112
 繰越利益剰余金 81/60
 純資産合計 1,281/1,262
負債・純資産合計 5,012/4,285

減価償却費 365/350

損益計算書
 売上高 5,611/5,039
 売上原価 4,204/3,985
 売上総利益 1,407/1,054
 販売費・一般管理費 931/853
 営業利益 476/201
 営業外収益 3/12
 営業外費用 208/122
 経常利益 271/91
 特別利益 0/39
 特別損失 0/41
 税引前当期純利益 271/89
 法人税等 108/36
 当期純利益 163/53

従業員数 80/75

第1問(配点40点)
 D社の平成20年度の財務諸表を用いて経営分析を行い、この企業の財務上の長所・短所のうち重要と思われるものを3つ取り上げ、その各々について、長所・短所の根拠を最も的確に示す経営指標を1つだけあげて、その名称を(a)欄に示し、経営指標値を計算(小数第3位を四捨五入すること)して(b)欄に示した上で、その長所・短所が生じた原因D社のこれまでの経営状況に照らして(c)欄に60字以内で説明せよ。

第2問(配点20点)
 近年の経済のグローバル化に伴って経営環境は不確実性を増している。D社の平成20年度の期首の投下総資本は4,907百万円であり、それに対する平成20年度の総資本営業利益率は9.7%であった。平成21年度の総資本営業利益率は前年並みになるか、もしくは景気が減速すれば-2.5%になると予想され、それぞれの状況が生起する確率は1/2と想定される。負債の平均資本コスト(負債総額に占める利息の割合)を4.9%とし、支払利息以外の営業外損益および特別損益はゼロと仮定して、次の設問に答えよ
(設問1)
 本社(土地及び建物)を売却しない場合、平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値を求めよ(計算結果は%で解答し、小数第3位を四捨五入すること)。
(設問2)
 本社(土地及び建物)を売却した場合、18億円のキャッシュフローが得られる。これを全額負債の返済に充当することを検討している。この場合、景気変動による税引前自己資本利益率のバラツキがどのように変化するかを100字以内で説明せよ。

第3問(配点20点)
 D社では、売上高と利益の関係を把握するため、経常利益ベースでの損益分岐点分析によるシミューションを開始した。平成20年度の売上原価に占める固定費は1,598百万円である。推計によると、平成21年度に景気が減速した場合、20%程度の売上高減少が見込まれることがわかった。
 また、本社(土地及び建物)を売却しない場合の平成21年度の固定費および営業外損益は平成20年度と同額とする。
 なお、金利を8%とし、販売費及び一般管理費、営業外損益はすべて固定費とする。
(設問1)
 D社の平成20年度の損益分岐点売上高を求め、(a)欄に記入せよ。
 また、本社を売却しない場合について、平成21年度の売上高が平成20年度より20%減少したときに予想される経常利益を求め、(b)欄に記入せよ。
 なお、計算結果は百万円単位で解答し、百万円未満を四捨五入すること。
(設問2)
 本社を売却した場合平成21年度の損益分岐点売上高を求め、(a)欄に記入せよ(計算結果は百万円単位で解答し、百万円未満を四捨五入すること)。
 また、この結果、営業レバレッジがどのように変化しその変化がD社の業績にどのような影響を与えるかを、財務・会計の観点から100字以内で(b)欄に説明せよ。

第4問(配点20点)
 D社は、Y社への売り上げは円建てで支払いを受けているが、海外に輸出する自社製品の支払いは上期末と下期末の2回に分けて米ドルで受け取っているこの為替リスクをヘッジするため、D社は、通常、各半期の期首に予想売上高分の為替予約を行っている。平成21年度上期分は1ドル100円で500万ドルの為替予約(ドルの売り建て)を行った。
(設問1)
 平成21年度の上期の売上高は、予想を下回り430万ドルであった。上期末の為替のスポットレートは102円であった。この場合の為替による損益を求めよ(単位:万円)。
(設問2)
 D社では、オプションを用いて為替リスクをヘッジすることも検討している。1ドル100円で決済するためには、どのようなオプションを用いるべきか、50字以内で(a)欄に説明せよ
 また、オプションを用いた場合の長所と短所を100字以内で(b)欄に説明せよ

平成21年度 生産・技術 問題

与件全文
【C社の概要】
 1980年創業のC社は、ダイニング用テーブル、チェア、スツールなどを主力にする木製家具製造業である。資本金は5,000万円、従業員は総務・経理部門6名、営業部門12名、製品開発・設計部門18名、製造部門84名の合計120名である。なお、営業部門は販売業務のほか、製品在庫管理、製品出荷業務を担当している。 木製家具製造業は、一般に生産地または消費地の家具問屋を経由して小売店に販売している。その中で、家具専門の中小小売店では総じて売り上げが低迷しているが、消費者に対してライフスタイルの提案を積極的に展開しているインテリア用品・生活用品を扱う小売店や、製造小売型(SPA)の大型小売店の売り上げは比較的好調である。このような木製家具業界にあって、C社は全国の小売店約300社に直接販売しているその販売先の約80%は、主にインテリア用品・生活用品を取り扱う小売店が占め、家具専門の小売店数が少ないのが特徴である。販売先の小売店では、C社製晶の一部を展示し、その他の製品はカタログによって販売活動を行っている例が多い。販売実績が大きな有力販売先では、C社製品を中心に生活空間を演出する展示スペースを設けている。現在、この有力販売先の一つである大手インテリア用品小売チェーンから、OEM製品の取引打診があり、先方から製品アイデアの提供を受けて製品化を進めようとしている。 C社製品は、塗料や接着材に有害物質が含まれていないものを使用し、消費者の健康、安全志向にマッチした製品である。ダイニング用テーブル、チェアのセットの平均販売価格は15万円前後と比較的高額であるが、幼い子供を持つ若い主婦層に受け入れられている。近年の低迷する木製家具業界にあって、C社の収益には大きな増加は見られないものの、年商は約18億円前後で推移している。現在進めようとしている大手インテリア用品小売チェーンからのOEM製品受注が現実のものになると、年間で約1割程度の売り上げ増が見込まれている

【新製品開発と製品アイテム】
 C社の新製品開発のコンセプトは「20~30歳代の主婦に喜ばれる家具」である。新製品開発情報は、各営業担当者がそれぞれ担当する販売先の小売店から消費者の嗜好、要望などを情報として入手し、製品開発・設計部門に提案している。このような新製品に関する多くの提案によって、積極的な新製品開発を進めており、その結果、現在の自社ブランド製品使用する木材の品種違い、塗装の色違いを含めて170アイテムと多くなっている。製品はカタログに掲載され、販売先や消費者に配布されているが、その中には出荷頻度および出荷数量が極端に少ない製品も見られる

【生産の現状】
 小売店からの注文に対しては、その当日に製品を出荷することを取引の基本としている。そのため、製品は見込生産であり、製品ごとにロット生産している。C社の生産工程は、部品切断加工⇒部品機械加工⇒部品仕上げ加工⇒組立て⇒塗装・仕上げ⇒梱包の6工程である。そのうち、部品機械加工の一部と販売数量の少ない製品によっては完成品までを外注工場に依存している。 毎月中旬に開かれる営業部門との製販会議で翌月の販売予測数量が提示され、生産計画では、それを参考に翌月の生産品目、生産順が決められている。生産計画作成後は、営業部門との定期的な情報交換は行われていない。 生産工程上のボトルネック工程は部品機械加工工程である。この工程における段取り作業回数を減らし稼働率を上げるために、生産ロットサイズは部品機械加工工程の1日で加工可能な数量にて決定されており、現在は約100~150個である。この生産ロットサイズは営業部門の月販売予測数をどの製品も上回っている。その結果、製品在庫は全体で月平均出荷量の2倍以上常に存在し、少しずつ増加しているしかし製品によっては欠品が発生し、販売先に即納できないこともしばしば生じている。毎月後半になると、営業部門から欠品している製品の追加生産依頼があり、生産が不安定になる。製造部門の責任者は生産計画の変更、それに伴う原材料の確保、各工程能力の調整、外注工場への生産依頼など、その日その日の調整作業に追われている。 日々の作業指示は第1工程の部品切断加工着手日を計画して指示するが、その後の工程の作業指示は特になく、現場対応で進められている。生産着手から生産完了までのリードタイムは、最短のもので半月、最長のものでは1カ月半となっている。このため、注文の際に製品在庫が不足している場合には、納品までに1カ月以上顧客を待たせる事態も時には生じているが、幸いにも欠品により注文がキャンセルされる確率は低い。 このような生産工程の状況下で、製造部門は、経営上問題となっている過大な製品在庫の削減、および製品の欠品問題の改善を経営者より指示され、対策に苦慮している。また、現在進めようとしている大手インテリア用品小売チェーンのOEM製品では、従来の見込生産とは違い、受注生産で一括納品する方向であり、受注後の納期の回答が求められる

第1問(配点10点)
 低迷する木製家具業界にあってC社は安定的な業績を維持している。その考えられる理由を120字以内で述べよ

第2問(配点40点)
 C社では、経営上大きな問題となっている過大な製品在庫および製品の欠品について改善を検討している。次の設問に答えよ。
(設問1)
 過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を100字以内で述べよ
(設問2)
 製品の在庫問題を解決するために生産面で必要な対策を120字以内で述べよ

第3問(配点40点)
 C社では、大手インテリア用品小売チェーンからOEM製品の取引要請があり共同で製品化を進めようとしている
(設問1)
 大手インテリア用品小売チェーンとのOEM製品取引は、C社にとってどのようなメリットがあるのかについて80字以内で述べよ
(設問2)
 C社のOEM事業推進において考えられる課題とその対応策について120字以内で述べよ

第4問(配点10点)
 C社の自社製品は見込生産であり、現在製品化を進めようとしているOEM製品は受注生産で対応する予定である。C社の見込生産と受注生産の違い重視すべき情報と管理ポイントの視点から80字以内で述べよ

平成21年度 マーケティング・流通 問題

与件全文
 B社は、X市の中心部にあるX銀座商店街の一角に本店店舗を構えるスポーツ用品店である。資本金3,000万円、従業員数20名、年商5億円で、隣接する市に2店舗支店を持つ。本店を含めいずれの店舗においても、地域の学校や団体との関係を深め、緻密な商品供給とサービスに力を入れてきた。また、従業員の顧客対応に関しても住民からの評判が良かった。なおB社は、本店裏にかつて倉庫と駐車場であった土地を保有しており、その再利用を考えている
 X市は大都市近郊にあり、人口30万人を抱え、古くから城下町として栄えてきた歴史と文化や伝統を持つ商業都市である。市の中心に位置する城跡公園は市民に親しまれているだけではなく、史跡や街中の寺院を訪れる観光客の数も多い。この公園を中心に市庁舎や企業のオフィス街があり、X銀座商店街も伝統と近代化の流れの中で時を刻んでいる。100年ほど前の大火事の経験から、耐火建築の蔵造りが注目され、今日の「蔵造りの町並み」が築かれている。公園から商店街を通って徒歩10分ほどのところにX駅があり、都心部と鉄道で直結している。駅には専門店やレストランとホテルが入った駅ビルが隣接している。B社にとって幸いだったのは、駅ビルの中にはスポーツ用品店はなかったことである。
 X市内には、小・中学校と高校の他に、中心部を外れた所に複数の大学のキャンパスもあり、X市は昔から教育水準が高いとされている。B社は、長年にわたって、市内の学校の体操着やクラブ活動のユニフォーム、大学のサークルのユニフォームなどの注文を一手に受けてきた。また、B社本店には、市内の草野球リーグやママさんバレーボールリーグの事務局が置かれ試合会場の手配などをB社はボランティアで引き受けている。その関係でユニフォームや用品の受注も安定している。B社が毎月発行するミニコミ誌やホームページには、地元スポーツの試合結果が掲載されている。最近では、大学生を中心にフットサル(問題文の末尾参照)の人気が高まり市内でリーグ戦ができるほどにチーム数も増えている。それに伴いフットサル用品の需要も増えてきている
 数年前、X市の郊外に大型小売業がディベロッパーとなるショッピングセンター(以下「SC」という.)が出店した。この影響で、X銀座商店街全体の売り上げも少しずつ減少し始めた。SC内の競合店に客を奪われた店舗の中には、後継者問題も絡んで閉店を考えようとするものも出てきた。SC内には2つのスポーツ用品店があり、1つは大手チェーンのスポーツ用品店で、もう1つはファッション重視のスポーツ用品店である。大手チェーンのスポーツ用品店は、各種スポーツのプロ志向の需要にも応えようとする品揃えをしている。また、もう1つのスポーツ用品店は、若者向けスポーツカジュアルのファッションに重点を置いた品揃えを行っている。
 最近、X市の中心部では、出社前や昼休み、そして早朝や夕方に公園周辺をウォーキングやジョギングする人が増えている。週末や休日になると、さらにその人数は増加しており、高齢者の割合が増えてきている
 このようなランナー達のグループ作りが盛んになっており、企業や大学のサークルだけではなく、お互い面識も無いのに1人で走っているうちに顔見知りとなり、グループを作って一緒に走る者も増えている。
 ランナー達の悩みは、着替えとシャワーであるが、商店街の裏通りにある銭湯がランナー達のニーズに応えている。また、夕方になると銭湯が社交場となって、グループ同士で近隣の居酒屋へ出掛けていく者たちも多い。しかし、この銭湯は昔から人気があり、高齢者を中心に数多くの人々が利用してきた。ランナー達がこの銭湯を利用することが増えるにつれ、銭湯が非常に混み合ってきている。そこで、この銭湯は何か事業ができないか模索している。
 そのような状況の中で、X市は伝統に配慮した道路整備を行い、城下町であるが故に見通しの悪い入り組んだ道路をできるだけ広くするために、電線の地中化を進めている。また、商工会議所を中心に「街おこし」としての企画を考えていた。そしてその1つとして、全国各地で定着しつつある「市民マラソン」を計画している。「健康」と「観光」を融合させ、「歴史と文化を走りぬけよう」というテーマで、城跡公園がスタートとゴールになり、5kn 、10km、ハーフマラソンの距離別で、初心者、親子から本格的ランナーまでが楽しめる大会を目指している。特に5kmでは高齢者の参加希望者が多い。X銀座商店街も、もちろんそのコースの中に入っている。電線の地中化により広くなった蔵造りの町並みの中を、市民と全国から参加するランナーたちが歴史と文化の香りの中を、颯爽と駆け抜ける光景は、毎年秋に行われる祭りと同様の活気を見せるであろう。
 さて、少子高齢化の波はX市内の学校の生徒数の減少にも表れてきている。都心部から交通のアクセスが良いことで、マンション建設も増えてはいるが、その影響による生徒数の増加は一時的なもので、長期的に見れば安定的なものとはいえない。また、高齢者の割合も増え、草野球人口も少しずつ減少してきた。B社の売り上げは徐々にではあるが低下してきている。

【フットサル】
 「フットサル(futsal)」は、基本的に室内で行われる5人制のミニサッカーのようなもので、ピッチ(コートのこと)の広さはサッカーの約1/7〜1/8である。また、スライディングタックルなどの接触プレーは禁止されているので、ジュニアから中高年、女性まで気軽に参加できるスポーツとして人気が出てきている

第1問(配点20点)
 ショッピングセンター内の2つの競合店に対してB社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか。80字以内で2つ答えよ。

第2問(配点10点)
 B社が需要拡大のためにこれからターゲットとすべき顧客層とはどのようなものか。30字以内で2つ答えよ。

第3問(配点40点)
 B社は顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高めるために新しい事業を考えている。どのような事業が考えられるか
(設問1)
 B社は自社だけで行えるサービス事業を考えている。それはどのようなものか、120字以内で答えよ。
(設問2)
 B社は商店街の裏通りにある銭湯との共同事業を考えている。どのようなサービス事業が考えられるか、120字以内で答えよ。

第4問(配点30点)
 B社はインターネットを使って自社のPRだけではなく地域内外の人々と何らかのコミュニケーションを図ろうとしている。それはどのようなものが考えられるか、150字以内で答えよ。

平成21年度 組織・人事事例 問題

与件全文
 A社は、地方都市W市に拠点をおく菓子メーカーである。資本金4,000万円、店舗数15店舗で、前年売上高約12億円、従業員はパート・アルバイト社員を含めて130名程度である。もともと、地元で採れた農産物を主原料とした地産地消の安全安心な菓子づくりをモットーに和菓子をメインに評判を得てきた老舗菓子メーカーである。1年半ほど前に、事業拡大を企図して地元の洋菓子メーカーF社を傘下に収め、今日に至っている。
 F社を傘下に収める以前、A社はW 市市内の工場で生産した菓子を、地元デパートや県内の観光名所にある10店舗で販売していた。販売員を含め120名程度の従業員のうち80%近くが、パート・アルバイト社員であった。
 A社社長が創業者の先代社長から事業を引き継いで以降、A社の売り上げはほぼ横ばいであった。地元限定の地産地消のビジネスモデルでは、現状以上の市場拡大が望めないと判断した成長志向の強いA社社長は、4年ほど前に大都市圏市場への進出を計画し、すぐさまそれを実現した。大都市圏内のデパート進出に際してW市地区産の原材料にこだわる一方で、市場や噂好の違いに配慮して創作菓子にも取り組み、地元の店とは違った店舗コンセプトも打ち出した。地元農家と専属契約を結び原材料の確保を図ると同時に、社内コンテストの開催社外の菓子職人やコンサルタントへの依頼などによって新しい創作菓子の開発に積極的に取り組んだ。初めてデパートで採用した創作菓子では、工場から半製品を輸送して売場の顧客の目の前で完成品に仕上げる手法を取り入れた。
 さらに、大都市圏市場の拡大を目指すA社社長は、高級スーパーへの納品にも挑戦した。当初取引に難色を示していた高級スーパーも、物産展での試験販売が好評であったことから取引を承諾した。
こうした大都市圏進出によって、A社の亮上高は20%程度伸張し、9億円を超えるまでに成長した。この成功の要因のひとつは、原材料重視というコンセプトが消費市場の食の安全に対する意識や自然志向の高まりにマッチしたことである。また、同じ時期に開始したインターネットを活用した通信販売も思いのほか反響が大きく、A社の業績を高めただけでなく、A社と契約していたW市周辺地区の特産品とその生産農家の知名度を高めることにもなった。
 確かに、こうした大都市圏での事業展開は成長をもたらしたが、同時に生産体制や販売体制の整備などで新たな対応が求められた。地方都市と比べて競争が激しく市場ニーズの変化が速い大都市圏では新奇さを打ち出すことが必要で、定期的に目先を変える新作菓子を生み出す体制の整備が課題となってきた。とはいえ、これまでW 市地区特産原材料へのこだわりを武器に事業展開してきたA社に、卓越した商品開発のノウハウが備わっていたわけではなかった
 他方、大都市圏での事業展開など事業拡大を模索している中で、A社と取引のある地元のG信用金庫からF社の買収の具体的な話が持ち込まれていた。幾度となく提示された案件であったが、A社社長は逡巡していた。A社に買収される直前のF社は、資本金1,000万円、従業員数50名(うちパート・.アルバイト社員約20名含む)、売上高約3億円で、市内に店舗併設工場を2カ所所有していた。創業当初からF社に勤めていた菓子職人の技術がその評判を支え、A社同様、W 市周辺のデパートや観光名所などに12店舗を出店していた。しかし、2000年以降、W市郊外にも次々と大規模なショッピングセンターがオープンし有名洋菓子店が出店したために、周辺の競争は一挙に激化した売り上げが3年間で30%近く落ち込んでしまったF社は、パート・アルバイト社員を中心に人員整理を断行した。その上、後継者問題か顕在化し事業継続を断念せざるを得なくなってしまった。G信用金庫の強い後押しもあって、最初の提案から2年以上の年月を経てA社社長はF社の買収を決定することになる。
 完全所有の子会社としてA社社長がF社のトップも兼任し、2つのブランドを継続させた。F社を傘下に取り込んだ後、A社社長は、地元に展開していた両社の店舗ネットワークの再編に取り組んだ。早期に経営体質の強化を図るために、両社で重複している売場の整理統合死に筋商品の排除売れ筋商品への絞り込みによって経費削減を進めた。また、生産ラインにもメスを入れた。F社の工場1つも閉鎖されそこで生産を統括していた洋菓子職人の1人と数人の職人がA社の工場に配置転換され、その他の職人はF社のもう1つの工場に残った。最終的に、A社とF社の従業員40名程度の人員整理を実施した
 しかし、昨年来の景気低迷で、消費市場はますます厳しさを増し、大都市圏でのデパートや高級スーパーの事業も大幅に落ち込んだ。A社の売り上げも、W 市地域ではF触買収前の売上高にまで落ち込む月も見られるようになった。大都市圏のデパート・スーパーに当初から投入していた商品の売り上げに支えられ、かろうじて営業を続けているが、こうした厳しい状況が続くと大都市圏事業の見直しをも迫られるのが実情である。


第1問(配点20点)
 F社を買収する以前のA社、およびA社に買収される以前のF社は、それぞれW市周辺で有力な菓子メーカーであった。和菓子、洋菓子といった取扱商品に違いがあるもののA社とF社の強みには、どのような違いがあると考えられるか。150字以内で述べよ。

第2問(配点20点)
 金融機関の後押しがあったにもかかわらず、当初、A社社長は、F社を傘下に収めることに対して、積極的、前向きではなかった。その理由として、どのようなことが考えられるかF社が直面していた財務上の問題以外で考えられる点について、100字以内で述べよ。

第3問(配点20点)
 A社がF社を傘下に収めた結果、買収されたF社の従業員に比べて、買収したA社の従業員のモラールが著しく低下してしまった。両社の人事構成を踏まえた上でその理由について、100字以内で述べよ

第4問(配点20点)
 A社社長は、生産体制を見直す際に、F社出身のベテランの洋菓子職人をA社工場の責任者に任命した。こうした施策を講じることによって、どのような成果や効果を期待したと考えられるか。100字以内で述べよ。

第5問(配点20点)
 現在、A社は、地元市場の不振と、景気低迷に伴う大都市圏事業の縮小といった厳しい経営状況に直面している。急速な業績回復が期待できない中で、短期的に売り上げを増進させるための具体的施策について、中小企業診断士として助言を求められた。どのような助言を行えばよいか、150字以内で述べよ。

2010年6月16日水曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 財務 第4問)

 第4問は、第1問で示した経営指標のうち、利益率に着目している問題だ。D社は米国等への海外輸出も手がけ高収益性を長所としているが、為替変動による売上高の変動リスクが経営の課題になっている。このリスクを低減させることが本設問の目的だ。

第4問(配点20点)
 D社は、Y社への売り上げは円建てで支払いを受けているが、海外に輸出する自社製品の支払いは上期末と下期末の2回に分けて米ドルで受け取っているこの為替リスクをヘッジするため、D社は、通常、各半期の期首に予想売上高分の為替予約を行っている。平成21年度上期分は1ドル100円で500万ドルの為替予約(ドルの売り建て)を行った。

(設問1)
 平成21年度の上期の売上高は、予想を下回り430万ドルであった。上期末の為替のスポットレートは102円であった。この場合の為替による損益を求めよ(単位:万円)。

(設問2)
 D社では、オプションを用いて為替リスクをヘッジすることも検討している。1ドル100円で決済するためには、どのようなオプションを用いるべきか、50字以内で(a)欄に説明せよ
 また、オプションを用いた場合の長所と短所を100字以内で(b)欄に説明せよ

まず題意から考えよう!
題意
 (設問1)
  為替による損益を求めよ

 (設問2)
  (a)どのようなオプションを用いるべきか説明せよ
  (b)オプションを用いた場合の長所と短所を説明せよ

 解答の骨子 (設問2)について
  (a)例:D社は、~のようなオプションを用いるべきである。
  ※50字なので1文で記述する。
   →要約力を強化しよう!

  (b)例:オプションを用いた場合の長所は、~である。短所は、~である。
  ※具体的な理由を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →ここでは「~することで、~の点である」という表現を使った。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件
 ①海外に輸出する自社製品の支払い
   上期末と下期末の2回に分けて米ドルで受け取っている
 ②この為替リスクをヘッジするため
   各半期の期首に予想売上高分の為替予約
   平成21年度上期分は1ドル100円で500万ドルの為替予約(ドルの売り建て)

制約条件
 (設問1)
  ①平成21年度の上期の売上高は、予想を下回り430万ドル
  ②上期末の為替のスポットレートは102円
  ③単位:万円

 (設問2)
  (a)(b)オプションを用いて為替リスクをヘッジする
  (a)1ドル100円で決済するため

解答へのアプローチ!

(設問1)
 平成21年度上期分は1ドル100円で500万ドルの為替予約
 実際の売上高430万ドル⇒70万ドルが不足
 上期の為替レートは1ドル102円、このレートで70万ドル調達する
  70万×102円=7,140万円
 この70万ドルを為替予約レート1ドル100円で売ることになる
  70万×100円=7,000万円
 差し引き140万円の為替差損となる

(設問2)
前提知識:過去問まとめ資料より(平成13年 第3問 設問2)
 コールオプション:買い手に対して「買う」権利を与えるもの
 プットオプション:買い手に対して「売る」権利を与えるもの

 アメリカンタイプ:権利行使期間内の営業日であればいつでも権利行使が可能
 ヨーロピアンタイプ:約定の権利行使日(確定日)にのみ権利行使が可能

 輸入業者:外国通貨のコールオプションを購入する。
  →円高:権利放棄、円安:権利行使
 輸出業者:外国通貨のプットオプションを購入する。
  →円高:権利行使、円安:権利放棄

(a)
D社は輸出業者
 →外国通貨のプットオプションを購入する
 →外国通貨は米ドル
 →1ドル100円で決済する(制約条件より)

(b)
D社は輸出業者
 →円高:権利行使、円安:権利放棄
 →円高:権利行使
   利益は「円高による為替差益-オプションの購入料」⇒利益減少:短所
 →円安:権利放棄
   損失は「オプションの購入料のみ」⇒円安による為替差損の回避:長所



問題の階層を考える!
 経営分析
  →経営指標:売上高総利益(利益率)、為替差損による収益減少リスクの低減
 財務事例の対応方法



以上から導き出した解答:


(設問1)
-140(万円)

(設問2)
(a)D社は為替リスクをヘッジするため、1ドル100円で決済できる米ドルのプットオプションを用いるべきである。51字

(b)オプションを用いた場合の長所は、円安になった場合、権利放棄することで損失がオプション料分だけに抑制できる点である。短所は、円高になった場合、権利行使をすることでオプション料分の利益が減少する点である。100字



 今回で財務事例は、終了だ。やはり経営分析でいかに得点が得られるかが、合格の成否を握ると感じた。経営分析は毎年必ず出題されており、傾向も大体同じだ。過去問を繰返し解くことで、経営指標の選択方法や経営分析独特の言い回しを覚えていくといいだろう。

2010年6月14日月曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 財務 第3問)

 第3問は、第1問で示した経営指標のうち、有形固定資産(固定費)について改善する問題だ。

第3問(配点20点)
 D社では、売上高と利益の関係を把握するため、経常利益ベースでの損益分岐点分析によるシミューションを開始した。平成20年度の売上原価に占める固定費は1,598百万円である。推計によると、平成21年度に景気が減速した場合、20%程度の売上高減少が見込まれることがわかった。
 また、本社(土地及び建物)を売却しない場合の平成21年度の固定費および営業外損益は平成20年度と同額とする。
 なお、金利を8%とし、販売費及び一般管理費、営業外損益はすべて固定費とする。

(設問1)
 D社の平成20年度の損益分岐点売上高を求め、(a)欄に記入せよ。
 また、本社を売却しない場合について、平成21年度の売上高が平成20年度より20%減少したときに予想される経常利益を求め、(b)欄に記入せよ。
 なお、計算結果は百万円単位で解答し、百万円未満を四捨五入すること。

(設問2)
 本社を売却した場合平成21年度の損益分岐点売上高を求め、(a)欄に記入せよ(計算結果は百万円単位で解答し、百万円未満を四捨五入すること)。
 また、この結果、営業レバレッジがどのように変化しその変化がD社の業績にどのような影響を与えるかを、財務・会計の観点から100字以内で(b)欄に説明せよ。

まず題意から考えよう!
題意
 (設問1) 本社を売却しない場合
  (a)平成20年度の損益分岐点売上高を求めよ
  (b)平成21年度の予想される経常利益を求めよ

 (設問2) 本社を売却した場合
  (a)平成21年度の損益分岐点売上高を求めよ
  (b)営業レバレッジがどのように変化し、その変化がどのような影響を与えるか説明せよ

 解答の骨子 (設問2)(b)について
  例1:営業レバレッジは、~のように変化する。
     その変化は、D社の業績に~のような影響を与える。
  例2:営業レバレッジは、~のように変化する。
     D社の業績に与える影響は、~である。
  ※具体的な理由を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件
 ①平成20年度の売上原価に占める固定費は1,598百万円
 ②平成21年度に景気が減速した場合、20%程度の売上高減少が見込まれる
 ③本社を売却しない場合
   平成21年度の固定費および営業外損益は平成20年度と同額
 ④金利8%
 ⑤販売費及び一般管理費、営業外損益はすべて固定費

制約条件
 (設問1) 本社を売却しない場合
  (a)(b)計算結果は百万円単位で解答、百万円未満を四捨五入
  (b)平成21年度の売上高が平成20年度より20%減少

 (設問2) 本社を売却した場合
  (a)(b)計算結果は百万円単位で解答、百万円未満を四捨五入
  (b)営業レバレッジ、D社の業績、財務・会計の観点から説明する
  →営業レバレッジ:大きくなる、小さくなる等の変化をはじめに書く
  →D社の業績:本社売却と売上高20%減少による影響を書く

解答へのアプローチ!

(設問1)本社を売却しない場合
(a)平成20年度
 売上高:5,611
 売上原価:4,204(固定費:1,598、変動費:4,204-1,598=2,606)
 販管費:931(固定費:931)
 営業外収益:3
 営業外費用:208(固定費:205)
 変動費:2,606、固定費:2,734、限界利益:5,611-2,606=3,005
 限界利益率:3,005/5,611

 損益分岐点売上高=固定費/限界利益率
  =2,734/(3,005/5,611)=2,734×5,611÷3,005=5,105

(b)平成21年度
 売上高:5,611×(1-0.2)=4,488.8
 変動費:2,606×(1-0.2)=2,084.8
 固定費:2,734
 経常利益:4,488.8-2,084.8-2,734=-330

 →設問1はサービス問題。絶対にゲットすべし!

(設問2)
(a)平成21年度
 売上高:4,488.8
 変動費:2,084.8
 固定費:2,395※
 限界利益:4,488.8-2,084.8=2,404
 限界利益率:2,404/4,488.8→変化なし

 損益分岐点売上高=固定費/限界利益率
  =2,395/(2,404/4,488.8)=2,395×4,488.8÷2,404=4,472

 ※固定費 2,395百万円
   本社の売却益:18億円(1,800百万円)
   金利分 借入金1,800×金利8%=144百万円
   ∴営業外費用=208-144=64百万円

   オフィスの賃貸料=年4,500万円(45百万円)増加
   本社の年間委託費=6,000万円(60百万円)増加
   販売費・一般管理費=3億円(300百万円)削減
   ∴販売費・一般管理費=931+45+60-300=736百万円

  固定費=売上原価に占める固定費1,598+販売費・一般管理費736
      +営業外費用64-営業外収益3=2,395百万円


 経常利益:4,488.8-2,084.8-2,395=9(黒字)

 →固定費計算で間違える可能性大!設問2の解答は具体的な数値は書かないことにしよう!
 →ただし借入金利と販管費の減少により固定費は減少することは分かる

(b)
前提知識:過去問まとめ資料より(平成15年 第2問 設問2)
 企業収益の不確実性、変動制をもたらす要因
  →①企業の費用構造の差(ビジネスリスク)
  →②負債による資金調達から生じる固定的な利子支払い(財務リスク)
 営業レバレッジ
  →変動費、固定費の費用構造の差によって、売上変化が利益変化に影響を与えること

  →変動比率の低下
   (材料費、外注費、荷造運賃費、仕入原価 等)
  →固定費総額の抑制
   (人件費、減価償却費、経費、金融費用 等)

設問1の損益分岐点売上高の計算結果から考察できることは?
 →本社を売却した場合、借入金利や販管費などの固定費が減少する
 →固定費が減少すると、損益分岐点売上高は低下する
 →損益分岐点売上高が低下すると、売上げが低下しても利益を確保しやすくなる
営業レバレッジの変化は?
 →固定費の減少により営業レバレッジは低下する
その変化が与える影響は?
 →営業レバレッジが低下すると売上変化に対する利益変化の割合が小さくなる
 →景気の減速で売上高が減少しても利益に与える影響が小さくなり、D社の業績低下を抑制できる



参考 意思決定会計講義ノートより
 意思決定会計講義ノートのp.13には、経営レバレッジ係数の求め方が紹介されている。

 売上高(営業量)が1単位変動した時に営業利益がどれだけ変動するかを示す指標が経営レバレッジである。売上高の変動以上に営業利益が変動するのは製造・販売コストに固定費が存在するからである。固定費の割合が大きければ大きいほど経営レバレッジは大きくなる。経営レバレッジ係数は次の式で求められる。

  経営レバレッジ係数=営業利益の変化率/売上高の変化率
   =(営業利益の変動/営業利益)/(売上高の変動/売上高)
   =限界利益/営業利益

 確かめてみるとわかるが、売上高が損益分岐点売上高に近づけば近づくほど経営レバレッジ係数は大きくなる。



問題の階層を考える!
 経営分析
  →経営指標:有形固定資産回転率(固定費)における問題点の解決
 財務事例の対応方法



以上から導き出した解答:




(設問1)
(a)5,105(百万円)
(b)-330(百万円)

(設問2)
(a)4,472 百万円
(b)固定費の減少により営業レバレッジは低下する。営業レバレッジが低下すると売上変化に対する利益変化が小さくなるため、景気の減速で売上高が減少しても利益に与える影響が小さくなり、D社の業績低下を抑制できる。100字



 解説の途中で出てきた「過去問まとめ」資料は、平成13年度~平成18年度までの過去問をまとめた資料だ。受験生時代は、今ここで紹介している題意や制約条件、切り口などを各設問ごとにエクセルでまとめて繰返し解いていた。

2010年6月11日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 財務 第2問)

 さて、第2問を解いてみよう!
 この設問からは、第1問で示した経営指標を悪くしている問題点を改善していく。第2問は、借入金の問題点が改善しそうだ。

第2問(配点20点)
 近年の経済のグローバル化に伴って経営環境は不確実性を増している。D社の平成20年度の期首の投下総資本は4,907百万円であり、それに対する平成20年度の総資本営業利益率は9.7%であった。平成21年度の総資本営業利益率は前年並みになるか、もしくは景気が減速すれば-2.5%になると予想され、それぞれの状況が生起する確率は1/2と想定される。負債の平均資本コスト(負債総額に占める利息の割合)を4.9%とし、支払利息以外の営業外損益および特別損益はゼロと仮定して、次の設問に答えよ

(設問1)
 本社(土地及び建物)を売却しない場合、平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値を求めよ(計算結果は%で解答し、小数第3位を四捨五入すること)。

(設問2)
 本社(土地及び建物)を売却した場合、18億円のキャッシュフローが得られる。これを全額負債の返済に充当することを検討している。この場合、景気変動による税引前自己資本利益率のバラツキがどのように変化するかを100字以内で説明せよ。



まず題意から考えよう!
リード文の題意:次の設問に答えよ

題意
 (設問1)平成21年度の税引前自己資本利益率の期待値を求めよ
 (設問2)税引前自己資本利益率のバラツキがどのように変化するか説明せよ

 解答の骨子 (設問2)について
  例:税引前自己資本利益率のバラつきは~に変化する。理由は~のためである。

  ※「税引前自己資本利益率のバラツキ」について、結論先出しで答える。
  ※具体的な理由を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~のためである」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件
 ①近年の経済のグローバル化に伴って経営環境は不確実性を増している
 ②平成20年度の期首の投下総資本:4,907百万円、総資本営業利益率:9.7%
 ③平成21年度の総資本営業利益率:前年並み or 景気が減速すれば-2.5%、確率:1/2
 ④負債の平均資本コスト:4.9%
 ⑤支払利息以外の営業外損益および特別損益:ゼロ

制約条件
 (設問1)計算結果は%で解答、小数第3位を四捨五入する
 (設問2)本社(土地及び建物)を売却、18億円のキャッシュフロー、全額負債の返済に充当、景気変動
  →本社の売却益を全額負債の返済
  →金利負担の減少

解答へのアプローチ!

(設問1)
前年並み:営業利益=総資本5,012×総資本営業利益率9.7%=486.164
景気減速:営業利益=総資本5,012×総資本営業利益率-2.5%=-125.3

支払利息=負債総額3,731×負債の平均資本コスト4.9%=182.819

前年並み:税引前利益=営業利益486.164-支払利息182.819=303.345
景気減速:税引前利益=営業利益-125.3-支払利息182.819=-308.119

前年並み:税引前自己資本利益率=税引前利益303.345÷自己資本1,281=23.68%
景気減速:税引前自己資本利益率=税引前利益-308.119÷自己資本1,281=-24.05%

税引前自己資本利益率の期待値
  =23.68%×1/2+(-24.05%)×1/2=11.84-12.03=-0.19%

  →ムリ! 本試験では緊張しているし、間違える可能性大。
  →(設問2)の文章問題だけは何とか得点しよう!

(設問2)
何言ってるかさっぱりわからん!こういった場合は、常識的な範囲内で解答を作ろう!
 ①基本的に問題点を解決するために、設問を解いているはずだ。
 ②そうした場合、負債が返済されると何かが改善されるはず。
 ③税引前自己資本利益率のバラツキは小さくなった方が改善された気がする。
じゃ、理由づけ
 ④負債返済により金利負担が減少する
 ⑤景気変動により売り上げ減少するも利益率の低下が抑えられる
  →結論部分は「税引前自己資本利益率のバラツキは小さくなる。」で答えよう!
  →理由部分は④と⑤をうまくまとめよう!

問題の階層を考える!
 経営分析
  →経営指標:自己資本比率(借入金)における問題点の解決
 財務事例の対応方法



以上から導き出した解答:


(設問1)
-0.19(%)

(設問2)
税引前自己資本利益率のバラつきは小さくなる。理由は、本社の売却益を全額負債の返済に充当することにより、景気変動で売り上げが減少した場合でも金利負担が減少し、利益率の低下が抑えられるためである。96字

2010年6月9日水曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 財務 第1問)

 さあ、平成21年度事例のラスト、財務事例だ。
 財務事例の中で最も重要なのが経営分析だ。配点比率も高く、その後続く設問と密接に関係する部分だからだ。毎年、第1問で経営分析を聞いてくるので、どのような解答を書くのかはあらかじめ準備できる。この点は、財務事例の対応方法で説明しているので確認をして欲しい。

第1問(配点40点)
 D社の平成20年度の財務諸表を用いて経営分析を行い、この企業の財務上の長所・短所のうち重要と思われるものを3つ取り上げ、その各々について、長所・短所の根拠を最も的確に示す経営指標を1つだけあげて、その名称を(a)欄に示し、経営指標値を計算(小数第3位を四捨五入すること)して(b)欄に示した上で、その長所・短所が生じた原因D社のこれまでの経営状況に照らして(c)欄に60字以内で説明せよ。

まず題意から考えよう!
題意
 (a)長所・短所の根拠を最も的確に示す経営指標を示せ
 (b)(a)で示した経営指標値を計算せよ
 (c)長所・短所が生じた原因を説明せよ

 解答の骨子 (c)について
  例:長所・短所が生じた原因は、~ためである。
  ※60字と字数が少ないが、ここでも因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
制約条件
 (a)長所・短所の根拠を最も的確に示す
 (b)小数第3位を四捨五入する
 (c)D社のこれまでの経営状況に照らして
  →財務諸表上の数字(定量的な情報)が悪化したことを単に述べるだけではダメ!
  →与件で与えられたD社の経営状況(定性的な情報)も踏まえて分析を行う

与件を活用する!

とりあえず、機械的に代表的な経営指標は計算してしまおう!
 財務諸表より(D社/同業他社)
 ○売上高対総利益率 …25.08%/20.92%
 ○売上高対営業利益率…8.48%/3.99%
 ○売上高対経常利益率…4.83%/1.81%
 ○棚卸資産回転率  …7.11回/6.03回
 ×有形固定資産回転率…2.62回/4.53回
 ○売上債権回転率  …5.84回/5.20回
 ×流動比率     …137.20%/144.22%
 ○当座比率     …90.04%/88.39%
 ×自己資本比率   …25.56%/29.45%

以下の経営指標は、与件に費用面の記述があった場合に考慮する。
 ○売上高対売上原価率…74.92%/79.08%
 ○販売費・管理費比率…16.59%/16.93%
 ※売上高対人件費比率は不明

 →利益率は同業他社と比べて良好である:長所
 →同業他社より悪い指標は有形固定資産回転率、流動比率、自己資本比率である
 →この中から利益率、回転率、安全性を選択すると、
   利益率:与件からどの利益率を選ぶか判断する
   回転率:最も資産効率の悪い「有形固定資産回転率」を選択する
   安全性:「流動比率」と「自己資本比率」は与件からどちらを選ぶか判断する


D社は高い縫製加工技術による自社製品に定評を有しており、その技術力から国内大手のY社より有名ブランド品のOEM生産を受託している
自社ブランドを立ち上げ、最近では米国等への海外輸出も手がけている
 →高い縫製加工技術
 →大手Y社より有名ブランド品のOEM生産を受託
 →自社ブランドの海外輸出
 ⇒高い技術、ブランドによる高付加価値製品:収益性が高い


事業の拡大に伴って手狭になったため隣地の中古不動産を買い増ししてきた
 →駅前という地価が高い場所で中古不動産を買い増し
 ⇒有形固定資産の増加:資産効率が悪い


本社を売却した場合、18億円の手取りのキャッシュフローが得られるので、これを全額負債の返済に充当する
 →18億円もの負債を抱えている
 →中古不動産を買い増し時に長期借入金による資金調達
 ⇒借入金の増加:資本の安定性が低下

問題の階層を考える!
 経営分析
  →財務事例の環境分析
 財務事例の対応方法



以上から導き出した解答:



(a)売上高総利益率
(b)25.08%
(c)長所が生じた原因は、高い縫製加工技術を有し、大手Y社のOEM生産や自社ブランドの海外輸出により、収益性が高いためである。60字


(a)有形固定資産回転率
(b)2.65回
(c)短所が生じた原因は、中核都市の駅前に本社を構え、隣地の不動産を買い増ししたことにより、資産効率が悪くなったためである。59字


(a)自己資本比率
(b)25.56%
(c)短所が生じた原因は、隣地の不動産を買い増しする際、長期借入金を中心に資金調達したことで、資本の安定性が低下したためである。61字

2010年6月4日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第4問)

 生産・技術事例の最後、第4問だ。生産・技術事例は苦手に思っている人も多いと思うが、慣れてくると一番得点がしやすい科目だと思う。SWOTの部分は【C社の概要】にほぼ記載されているし、各設問に使用する与件文も段落毎に固まっているため、指摘すべき問題点などは特定しやすい。問題点を特定できたら設問に素直に対応して、読み手(報告を受ける社長)に分かりやすく要約するだけだ。

第4問(配点10点)
 C社の自社製品は見込生産であり、現在製品化を進めようとしているOEM製品は受注生産で対応する予定である。C社の見込生産と受注生産の違い重視すべき情報と管理ポイントの視点から80字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
題意:C社の見込生産と受注生産の違いを述べよ。
 解答の骨子
  例1:違いは、~である。具体的には、
     ①見込生産は~である。
     ②受注生産は~である。
  例2:①見込生産は~である。②受注生産は~である。
   →今回は80字と字数が少ないため、例2を採用する。

次に制約条件を考える!
制約条件:①見込生産と受注生産の違い、②重視すべき情報と管理ポイントの視点から
 1次知識:見込生産と受注生産
  →見込生産
    ①事前に需要を見込んで一定量の最終製品を生産し、製品在庫から出荷する生産形態
    ②需要予測、在庫管理がポイント
  →受注生産
    ①受注してから納期に間に合うように生産し、製品が完成するとすぐ出荷する生産形態
    ②余力管理、進捗管理、納期管理、生産リードタイムの短縮がポイント

 情報系の問題は問われたことに素直に答えることが大事
  →違いは~、重視すべき情報は~、管理ポイントは~である。

与件を活用する!
この生産ロットサイズは営業部門の月販売予測数をどの製品も上回っている
 →販売予測数量の正確な情報が必要

しかし製品によっては欠品が発生し、販売先に即納できないこともしばしば生じている
 →在庫量を適正化して欠品を無くすことが必要、販売先への即納体制構築が必要

「製造部門の責任者は生産計画の変更、それに伴う原材料の確保、各工程能力の調整、外注工場への生産依頼など、その日その日の調整作業に追われている
 →生産計画の変更、各工程能力の調整など調整作業をするため、各工程の余力情報や進捗情報が必要

生産着手から生産完了までのリードタイムは、最短のもので半月、最長のものでは1カ月半となっている
 →生産リードタイムの短縮が必要

「このため、注文の際に製品在庫が不足している場合には、納品までに1カ月以上顧客を待たせる事態も時には生じているが、幸いにも欠品により注文がキャンセルされる確率は低い」
 →顧客対応を迅速化するため、正確な納期管理が必要

問題の階層を考える!
 情報と管理の問題
  →情報系はマーケティング戦略を考慮に入れる
  →毎年必ず1問は出ているので、解答のパターンを覚えることがポイント
    進捗情報を納期回答などに活用して顧客対応力を強化する方向性を考える
 生産・技術事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 見込生産と受注生産の違いを明確に述べる
 1次知識と与件の活用


見込生産は販売予測数量の情報が重視され、適正な在庫量の管理がポイントである。受注生産は各工程の余力情報や進捗情報が重視され、正確な納期の管理がポイントである。79字


※「生産リードタイムの短縮」について述べたいが、字数の関係で管理ポイントを「正確な納期の管理」とした。

2010年6月1日火曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第3問)

 さて、第3問だ。C社のOEM事業推進について問われている。OEMに関しては平成13年度にも登場しており、生産・技術事例において重要なテーマとなっている。OEMの特徴については1次テキストでしっかり確認し、メリット・デメリットについてまとめておきたい。

第3問(配点40点)
 C社では、大手インテリア用品小売チェーンからOEM製品の取引要請があり共同で製品化を進めようとしている

(設問1)
 大手インテリア用品小売チェーンとのOEM製品取引は、C社にとってどのようなメリットがあるのかについて80字以内で述べよ

(設問2)
 C社のOEM事業推進において考えられる課題とその対応策について120字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
リード文の題意:OEM製品の取引を進めようとしている。

(設問1)
題意:OEM製品取引は、C社にとってどのようなメリットがあるのかについて述べよ。
 解答の骨子
  例:メリットは、①~、②~、である。

(設問2)
題意:C社のOEM事業推進の課題とその対応策について述べよ。
 解答の骨子
  例:C社の課題は~である。その対応策は、①~、②~、である。

  ※具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件
 ①大手インテリア用品小売チェーンからOEM製品の取引要請があった。
 ②C社と大手インテリア用品小売チェーンが共同で製品化
  →リード文の制約条件は忘れがちになるので注意する。
  →今回の設問ではいずれもC社のことについて問われていた。
 ※もし「C社」という単語が設問中から無くなれば・・・
  →C社だけではなく大手小売りチェーンに対するメリットや対応策を考える場合もある。

(設問1)
制約条件:大手インテリア用品小売チェーンとのOEM製品取引

(設問2)
制約条件:C社のOEM事業推進において

  →1次知識:OEMの特徴
   ※特徴を聞かれたら、メリット・デメリットで答える。
   ※4Pの視点で考えると以下の通りになる。
    OEMのメリット
     ・供給先の販売チャネルが利用できる
     ・プロモーション費用が節約できる
    OEMのデメリット
     ・販売価格、利益率が低下する恐れがある
     ・自社ブランドが認知されにくくなる
     ・ノウハウ・技術が流出する危険性がある

与件を活用する!
(設問1)
「現在、この有力販売先の一つである大手インテリア用品小売チェーンから、OEM製品の取引打診があり、先方から製品アイデアの提供を受けて製品化を進めようとしている
 →大手小売チェーンの製品アイデアを製品化に活用できる

「現在進めようとしている大手インテリア用品小売チェーンからのOEM製品受注が現実のものになると、年間で約1割程度の売り上げ増が見込まれている
 →OEM製品受注が現実のものになると、売り上げ増が見込まれる

「新製品開発情報は、各営業担当者がそれぞれ担当する販売先の小売店から消費者の嗜好、要望などを情報として入手し、製品開発・設計部門に提案している。このような新製品に関する多くの提案によって、積極的な新製品開発を進めており、その結果、現在の自社ブランド製品は」
 →消費者の嗜好、要望が直接入手できない。
 →C社独自の十分な新製品開発ができない可能性がある。
 →C社の自社ブランドイメージが希薄化する。
 ※ブランドにおけるOEMのデメリット⇒今回は解答に加えないこととした。

(設問2)
「毎月中旬に開かれる営業部門との製販会議で翌月の販売予測数量が提示され、生産計画では、それを参考に翌月の生産品目、生産順が決められている。生産計画作成後は、営業部門との定期的な情報交換は行われていない
 →生産計画作成後は、営業部門との定期的な情報交換は行われていない
   進捗管理を行い、営業部門との定期的な情報交換により納期回答を行う

日々の作業指示は第1工程の部品切断加工着手日を計画して指示するが、その後の工程の作業指示は特になく、現場対応で進められている生産着手から生産完了までのリードタイムは、最短のもので半月、最長のものでは1カ月半となっている。このため、注文の際に製品在庫が不足している場合には、納品までに1カ月以上顧客を待たせる事態も時には生じているが、幸いにも欠品により注文がキャンセルされる確率は低い」
 →着手日を指示するが、その後の工程の作業指示は特にない
   工程毎の作業指示を適切に行う
 →生産着手から生産完了までのリードタイムは、最短半月、最長1カ月半となっている
 →納品までに1カ月以上顧客を待たせる事態も時には生じている
   納期から遡って工程毎の作業完了日を把握する

「現在進めようとしている大手インテリア用品小売チェーンのOEM製品では、従来の見込生産とは違い、受注生産で一括納品する方向であり、受注後の納期の回答が求められる
 →OEM製品は、見込生産ではなく受注生産
 →一括納品、受注後の納期の回答が求められる

問題の階層を考える!
 OEM製品取引の課題や対応策
  →具体的な対策が聞かれたら生産・技術戦略レベル
  →ただし、OEM製品取引という新規事業も含むので経営戦略レベルに近いか?
 生産・技術事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 (設問1)
  与件に書かれているメリットを要約しただけ
 (設問2)
  問題点は否定的な表現、課題は肯定的な表現
  対策は問題点の裏返し、できるだけ具体的に

(設問1)
メリットは、①大手小売チェーンの製品アイデア提供により、製品化を進めることができる点、②大手小売チェーンのOEM製品受注により、売り上げ増が見込まれる点である。80字


(設問2)C社の課題は、受注後の納期回答や一括納品が可能な受注生産体制を構築する事である。その対応策は、①工程毎の作業終了日を納期から正確に把握し作業指示を適切に行う。②工程毎の進捗管理を行い営業部門と定期的に情報交換することで納期回答の精度を高める。121字

※課題に「OEM生産で埋没しがちなC社のブランドイメージを維持すること」も浮かんだが生産・技術事例ということもあり、生産体制の構築を優先した。

2010年5月28日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第2問)

 さて第2問目だ。生産・技術の事例では、生産工程や営業とのやり取りでダメダメ項目が必ず出てくる。基本的にこの項目は全て解決すると考えて良い。
 「~していない」、「~できていない」などのマイナス表現や「しかし」などの逆説表現があった部分は、どこかの設問で使用する。もし、解決していないダメダメ項目が残っている場合は、要求されている改善策を解答していないと考えて良いだろう。

第2問(配点40点)
 C社では、経営上大きな問題となっている過大な製品在庫および製品の欠品について改善を検討している。次の設問に答えよ。

(設問1)
 過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を100字以内で述べよ

(設問2)
 製品の在庫問題を解決するために生産面で必要な対策を120字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
リード文の題意:過大な製品在庫および製品の欠品についての経営上の問題を改善する。

(設問1)
題意:過大な製品在庫と製品の欠品が生じている理由を述べよ。
 解答の骨子
  例1:理由は~のためである。具体的には、
     ①(過大な製品在庫の理由)~のため、
     ②(製品の欠品発生の理由)~のため、である。
  例2:理由は、
     ①(過大な製品在庫の理由)~のため、
     ②(製品の欠品発生の理由)~のため、である。

(設問2)
題意:生産面で必要な対策を述べよ。
 解答の骨子
  例1:対策は~である。具体的には、
     ①(過大な製品在庫で必要な対策)、
     ②(製品の欠品発生で必要な対策)、である。
  例2:生産面で必要な対策は、
     ①(過大な製品在庫で必要な対策)、
     ②(製品の欠品発生で必要な対策)、である。

  ※例1は結論先出しの表現、このように表現するのが理想だが試験の時は難しい。
  ※具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →今回は「~することで~(のため)である」という表現を使った。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件:①経営上の問題、②過大な製品在庫、③製品の欠品について考える。
  →①経営上の問題:経営革新を阻害し、経営基盤を不安定にする問題が存在するはず。
 設問を読んで仮説を立てる。
  →現在の財務基盤を悪化させるような問題の存在?
  →将来の新事業に悪影響を与える弱みの存在?

(設問1)
制約条件:①過大な製品在庫の理由、②製品の欠品発生の理由
 1次知識から理由を考えてみる。
  →①在庫が増える理由:需要予測の精度が低い、稼働率優先で製品を作りすぎる
  →②欠品が出る理由:在庫量、売れ筋・死に筋の把握ができていない

(設問2)
制約条件:①製品の在庫問題を解決するために、②生産面で必要な
 ①製品の在庫問題
  →過大な製品在庫、製品の欠品発生
 ②生産面で必要な
  →生産・技術の1次知識
    在庫を減らす対策:需要予測の精度向上、小ロット生産
    欠品を無くす対策:製品在庫の把握、現品管理、進度管理

与件を活用する!
「現在の自社ブランド製品は使用する木材の品種違い、塗装の色違いを含めて170アイテムと多くなっている。製品はカタログに掲載され、販売先や消費者に配布されているが、その中には出荷頻度および出荷数量が極端に少ない製品も見られる
 →木材や色の違いで製品アイテムが多い
 →出荷頻度、出荷数量が極端に少ない製品も見られる
 →製品アイテム数を減らすための「ワザワザ表現」
 ※この与件文をどこで使うか迷ったが、この設問で使うことにした

生産工程上のボトルネック工程は部品機械加工工程である。この工程における段取り作業回数を減らし稼働率を上げるために、生産ロットサイズは部品機械加工工程の1日で加工可能な数量にて決定されており、現在は約100~150個である。この生産ロットサイズは営業部門の月販売予測数をどの製品も上回っている。その結果、製品在庫は全体で月平均出荷量の2倍以上常に存在し、少しずつ増加している
 →ボトルネック工程は必ず改善する
 →在庫増の直接的な原因:生産ロットサイズが月販売予測数を上回っていること
 →なぜ生産ロットサイズを大きくしなければならないのか?
   ∵段取り作業の回数を減らし稼働率を上げたいから
 ⇒つまり段取り作業に問題があり、生産ロットサイズを大きくしないと稼働率が上がらない

しかし製品によっては欠品が発生し、販売先に即納できないこともしばしば生じている毎月後半になると、営業部門から欠品している製品の追加生産依頼があり、生産が不安定になる製造部門の責任者は生産計画の変更、それに伴う原材料の確保、各工程能力の調整、外注工場への生産依頼など、その日その日の調整作業に追われている
 →製品によっては欠品が発生している:製品在庫を把握しきれていない
 →製品アイテム数が多すぎてどの製品をどれだけ作れば良いかが把握できていない
 ※「営業への定期連絡」や「現場での作業指示」など考えられる表現は他にもあるが、ここでは「製品アイテム数を減らす」ことを表現したいので、製品在庫の把握という表現を採用することにした

「このような生産工程の状況下で、製造部門は、経営上問題となっている過大な製品在庫の削減、および製品の欠品問題の改善を経営者より指示され、対策に苦慮している

問題の階層を考える!
 問題点に対する理由やその対策
  →具体的な対策が聞かれたら生産・技術戦略レベル
 生産・技術事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 (設問1)問題点の指摘は与件をそのまま書き出すイメージ
 (設問2)対策は問題点の裏返し、できるだけ具体的に

(設問1)
理由は、①稼働率を上げるために生産ロットサイズを販売予測数より大きく設定することで余分な在庫が発生するため、②製品アイテム数が多く販売数量の予測が困難であり、製品在庫の不足分を把握しづらいためである。100字


(設問2)
生産面で必要な対策は、①ボトルネック工程における段取り時間を短縮し小ロット生産が可能な体制を構築することで生産数量を適正化する。②木材や色の選別により出荷頻度・数量が少ない製品を縮小することで管理項目を単純化し販売数量の予測精度を高める。119字



 今回の解答は、与件と設問に素直な解答とは言えないかな?
 1次試験対策で学ぶ基本的なキーワードと中小企業白書で使われている表現、与件と設問の表現を活用して、読み手に「すーっ」と伝わる表現が理想形。
 テクニックとしては、①文末表現を揃えること、②因果関係を明確にすること、だろうか。

2010年5月26日水曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 生産・技術 第1問)

 皆様、お久しぶりです。組織とマーケ以降滞っていた本ブログも本日から再開します。今後の予定としては、生産と財務を完成させた後、ブログの記事を参照しやすいように変更しようかと考えています。

 また、二次キーワード集と事例解答集の記事をPDF化してダウンロードできるようにしたいと思っています。必要な方っていますか???

…それでは、再開1回目はじまり!

第1問(配点10点)
 低迷する木製家具業界にあってC社は安定的な業績を維持している。その考えられる理由を120字以内で述べよ

まず題意から考えよう!
題意:C社が安定的な業績を維持している理由を述べよ
 解答の骨子
  例:理由は~のためである。具体的には、
     ①(営業面)~のため、
     ②(生産面)~のため、である。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。
   →今回は字数の関係で変則的
  ※生産事例の第1問は環境分析であることが多い。
   →強みを答える場合は、営業面と生産面の両面で解答する。

次に制約条件を考える!
制約条件:①低迷する木製家具業界にあって、②C社は安定的な業績を維持
 外部環境(木製家具業界)は低迷している→脅威を避けて機会を探せ!
 内部資源(C社の強み)の活用により業績維持→営業面と生産面の両面から探す!
  →営業面:直接販売
  →生産面:製品開発力

与件を活用する!
 生産事例で活用する与件は、段落のブロック毎に固まっているので特定しやすい。

 特定したブロックを解答に落とし込むには要約力が必須!→春秋の要約で練習

業績が好調な所を探す!
「木製家具製造業は、一般に生産地または消費地の家具問屋を経由して小売店に販売している。その中で、家具専門の中小小売店では総じて売り上げが低迷しているが、消費者に対してライフスタイルの提案を積極的に展開しているインテリア用品・生活用品を扱う小売店や、製造小売型(SPA)の大型小売店の売り上げは比較的好調である

C社の強みを探す!
 →強みのキーワードは「特徴」、「セールスポイント」、「評価が高い」など

営業面
「このような木製家具業界にあって、C社は全国の小売店約300社に直接販売しているその販売先の約80%は、主にインテリア用品・生活用品を取り扱う小売店が占め、家具専門の小売店数が少ないのが特徴である
 →好調な小売店に直接販売をしている
 →どんな小売店なのかを具体的に述べよう!(与件に忠実に、具体的に)
 →(強み)直接販売:顧客ニーズの収集⇒製品開発に活用できる

生産面
「C社製品は、塗料や接着材に有害物質が含まれていないものを使用し、消費者の健康、安全志向にマッチした製品である。ダイニング用テーブル、チェアのセットの平均販売価格は15万円前後と比較的高額であるが、幼い子供を持つ若い主婦層に受け入れられている
 →高額な製品を提供している
 →顧客ニーズや製品の特徴は解答に盛り込もう!(与件に忠実に、具体的に)
 →(強み)製品開発力:高付加価値製品やC社独自の特注品など

問題の階層を考える!
 強みについての設問→環境分析レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 生産事例は営業面と生産面の両面から解答する
 与件に忠実に、具体的に

理由は、①主にインテリア用品・生活用品を扱う好調な小売店に直接販売することで安定的な売り上げと消費者ニーズを獲得しているため、②比較的高額でも幼い子供を持つ若い主婦層に受け入れられる健康、安全志向にマッチした製品を提供しているためである。119字

2010年2月8日月曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第4問)

 さて、ラスト第4問だ。

第4問(配点30点)
 B社はインターネットを使って自社のPRだけではなく地域内外の人々と何らかのコミュニケーションを図ろうとしている。それはどのようなものが考えられるか、150字以内で答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:インターネットを使ったPR・コミュニケーション手段にはどのようなものが考えられるか
 解答の骨子
  例:B社は~(インターネットを使った内容)が考えられる。具体的には、
     ①~(自社のPR)、
     ②~(地域内外の人々とのコミュニケーション)、を図る。
  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「~により、~である」「~のため、~である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
制約条件:①B社はインターネットを使って、②自社のPRだけではなく、③地域内外の人々と何らかのコミュニケーション
 ①B社はインターネットを使って
  →ホームページが基本。具体的な方法は電子掲示板、ブログ、メールマガジンなど。
 ②自社のPRだけではなく
  →顧客ターゲットに対して有益なものをアピールする視点
 ③地域内外の人々と何らかのコミュニケーション
  →地域外:史跡や街中の寺院に興味を持つ観光客を対象にしよう。
  →地域内:市民マラソンに出場するランナーを対象にしよう。
  →コミュニケーションを図る:双方向の情報のやり取りが必要。

与件を活用する!
地域外の人々
 「X市は大都市近郊にあり、人口30万人を抱え、古くから城下町として栄えてきた歴史と文化や伝統を持つ商業都市である
 「市の中心に位置する城跡公園は市民に親しまれているだけではなく、史跡や街中の寺院を訪れる観光客の数も多い
 「100年ほど前の大火事の経験から、耐火建築の蔵造りが注目され、今日の『蔵造りの町並み』が築かれている」
   →城跡公園、蔵造りの町並み、史跡や寺院などのX市の歴史と文化について興味を持っている人々への情報配信

地域内の人々
 「B社が毎月発行するミニコミ誌やホームページには、地元スポーツの試合結果が掲載されている」
 「『健康』と『観光』を融合させ、『歴史と文化を走りぬけよう』というテーマで、城跡公園がスタートとゴールになり、5kn 、10km、ハーフマラソンの距離別で、初心者、親子から本格的ランナーまでが楽しめる大会を目指している」
 「特に5kmでは高齢者の参加希望者が多い
   →市民マラソンを走るランナーへの情報配信
     B社おすすめのマラソン用品の紹介:自社のPR
     市民マラソンのコースの紹介

問題の階層を考える!
 インターネットを使ったコミュニケーション:プロモーション
  →マーケティング戦略レベル
 マーケティング・流通事例の対応方法
 究極の切り口は、外部と内部



以上から導き出した解答:
 題意:解答の骨子をそのまま活用
 電子掲示板は最近見かけない、メールマガジンは双方向通信ができない、ブログなら情報配信と顧客のコメントという双方向通信可能
 切り口
  外部:情報の流れ 社内→社外 情報配信
  内部:情報の流れ 社外→社内 コメントの収集およびその対応


B社は、ブログの活用が考えられる。具体的には、①地域外の人には史跡や寺院などのX市の歴史と文化について、地域内の人にはB社おすすめのマラソン用品や市民マラソンのコースについての情報を発信し、②ブログに寄せられた閲覧者からのコメントにきめ細かく対応することで、地域内外の人々とコミュニケーションを図る。150文字




 今回で、マーケティング事例は終了だ。なかなか要約力を求められる問題が多かった。普段から、日経新聞の春秋などを題材に文章の要約を練習している人は、優位に問題を解くことができたことだろう。最近の事例は、解答の際に30字や40字程度で短くまとめさせることが多い。このため、春秋をまとめる際も40字程度にまとめる練習をした方が良いのではないだろうか?この際、きちんと40字のマス目を作って、文章をまとめる練習をした方がいい。あと何字でマス目が埋まるのかが直感的にわかるようになるからだ。
 また、事例の文章中「特に」とか「特徴」という強調を示す文字や「しかし」などの論点を切り替えている部分は要注意だ。この部分に解答のキーになる文章が含まれていることが多いからだ。こういった文字が出てきたら、グリグリにマーキングして注意を促そう。

2010年2月7日日曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第3問)

 第3問を解いてみよう。この問題は、はじめにリード文があり設問1と設問2に分かれている問題だ。こういう問題では、設問1を解いている間はリード文を意識しているが、設問2を解く段階になってリード文の存在を忘れてしまう危険性があるので注意しよう。設問の題意と制約条件を考える段階で、リード文の制約条件は、設問1と設問2に目立つように書き留めておくことがポイントだ。試験終了間際になると、リード文のことなんてすっ飛んでいるはずだ。忘れてはいけない部分は、余裕があるうちにあらかじめメモをとって目立つようにしておこう!

第3問(配点40点)
 B社は顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高めるために新しい事業を考えている。どのような事業が考えられるか
(設問1)
 B社は自社だけで行えるサービス事業を考えている。それはどのようなものか、120字以内で答えよ。
(設問2)
 B社は商店街の裏通りにある銭湯との共同事業を考えている。どのようなサービス事業が考えられるか、120字以内で答えよ。

まず題意から考えよう!
リード文の題意:B社の新しい事業にはどのような事業が考えられるか

(設問1)
題意:自社だけで行えるサービス事業はどのようなものか
 解答の骨子
  例1:サービス事業は〜である。具体的には、
     ①〜、
     ②〜、である。
  例2:B社が自社だけで行うサービス事業は、①〜、②〜である。

(設問2)
題意:銭湯と共同で行うサービス事業はどのようなものか
 解答の骨子
  例1:サービス事業は〜である。具体的には、
     ①〜、
     ②〜、である。
  例2:銭湯と共同で行うサービス事業は、①〜、②〜である。

  ※①と②の部分で具体的な事柄を述べるときは、因果関係に注意して書くようにする。
   →「〜により、〜である」「〜のため、〜である」という表現を使う。

次に制約条件を考える!
リード文の制約条件:顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高めるために
  →設問1で「顧客の拡大」を設問2で「自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める」を決めゼリフにしようと決める。

(設問1)
制約条件:B社は自社だけで行える
 解答の終わりの表現は、リード文の言葉を活用する。
  →〜をすることで、顧客の拡大を図る。
 B社だけで行えるサービス
  →B社のリソースを活用する。
   「目に見えない資源」…専門知識、ノウハウ・技術、顧客の信用など
   「小規模特性」…地域密着力、顧客対応力、対面販売力など
    モノ:本店裏にかつて倉庫と駐車場であった土地を保有
    ヒト:地域の学校や団体との関係性、従業員の顧客対応力

(設問2)
制約条件:銭湯との共同事業
 解答の終わりの表現は、リード文の言葉を活用する。
  →〜をすることで、自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める。
 銭湯との共同事業でできるサービス
  →B社と銭湯のリソースを活用する。
  →B社が毎月発行するミニコミ誌やホームページ:情報提供のノウハウ
  →銭湯の社交場としての存在意義を忘れない。

与件を活用する!
第1問と第2問の解答を踏まえる。

(設問1)
ターゲット顧客を拡大する視点
 「なおB社は、本店裏にかつて倉庫と駐車場であった土地を保有しており、その再利用を考えている
   →再利用を考えているなら活用する方向で。
 「B社本店には、市内の草野球リーグやママさんバレーボールリーグの事務局が置かれ試合会場の手配などをB社はボランティアで引き受けている
   →試合会場の手配などはノウハウとして蓄積しているはず。
 「最近では、大学生を中心にフットサルの人気が高まり市内でリーグ戦ができるほどにチーム数も増えている
   →フットサルの練習やリーグ戦をできるようにしたら大学生の顧客が拡大しそうだ。
 「フットサル(futsal)は〜ジュニアから中高年、女性まで気軽に参加できるスポーツとして人気が出てきている
   →初心者向けのサービスも何かしたいよね。

(設問2)
ロイヤルティ(愛顧)を高める視点
 「ランナー達の悩みは、着替えとシャワーであるが、商店街の裏通りにある銭湯がランナー達のニーズに応えている
   →ランナー達の悩みに答える。着替えとシャワーは絶対必要!
 「また、夕方になると銭湯が社交場となって、グループ同士で近隣の居酒屋へ出掛けていく者たちも多い」
 「しかし、この銭湯は昔から人気があり、高齢者を中心に数多くの人々が利用してきた
   →「しかし」は重要語句
 「ランナー達がこの銭湯を利用することが増えるにつれ、銭湯が非常に混み合ってきている
   →混雑解消!新たな社交場をつくる必要があるよね。
 「そこで、この銭湯は何か事業ができないか模索している」

問題の階層を考える!
 顧客の拡大と自社へのロイヤルティ(愛顧)を高める
  →具体的な方策が聞かれたら、マーケティング戦略レベル
 マーケティング・流通事例の対応方法



以上から導き出した解答:
 設問1はフットサル、設問2はランナーについて記述する。

(設問1)
 自社だけで行えるサービス事業
 第1問、第2問の解答も踏まえよう!
  →本店裏の土地を再利用する
  →アマチュア志向の需要にも対応すること
  →ジュニアや女性の初心者向けサービス、大学生のリーグ戦等に対するサービス

自社だけで行うサービス事業は、本社裏の土地をピッチとして再利用したフットサル事業である。具体的には、①ジュニアや女性等の初心者に対してフットサル教室を開催し、②市内の大学生チームに練習の場やリーグ戦の会場を提供することで、顧客の拡大を図る。120字


(設問2)
 B社と銭湯との共同サービス事業
 第1問、第2問の解答も踏まえよう!
  →高齢者に対してのサービスも加えたい。
 何よりもランナーの悩み解消を考えよう!
  →着替えとシャワー設備は銭湯のノウハウを活用できる。
  →社交場としての機能はB社の情報提供のノウハウを活用できる。

銭湯と共同で行うサービス事業は、ランナー支援事業である。具体的には、①ランナーの悩みに答えるため、本社裏の土地に着替えとシャワーができる設備をつくり、②市民マラソンの情報発信や高齢者等との情報交換の場を提供することで、自社への愛顧を高める。120字

2010年2月5日金曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第2問)

 さて、次は第2問だ。制限文字数が30字と短くなっているため、要約力が求められる問題だ。普段から、文章の要約練習をしておくことが重要だ。

第2問(配点10点)
 B社が需要拡大のためにこれからターゲットとすべき顧客層とはどのようなものか。30字以内で2つ答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:これからターゲットとすべき顧客層とはどのようなものか
 解答の骨子
  例:①~(顧客層)である。②~(顧客層)である。
  ※30字なので、主語を書く余裕はない。
  ※語尾を揃えることで、2つの文章の比較が容易となり、文章が理解しやすくなる。

次に制約条件を考える!
制約条件
:B社が需要拡大のために
 需要拡大→需要が増加している部分に着目する!

与件を活用する!
需要の増加を示している与件文章を探す
第1問で指摘した差別化要因を忘れない→「アマチュア志向の需要」「高齢者等」

 「大学生を中心にフットサルの人気が高まり、市内でリーグ戦ができるほどにチーム数も増えている
 「それに伴いフットサル用品の需要も増えてきている
 (【フットサル】の説明より)「ジュニアから中高年、女性まで気軽に参加できるスポーツとして人気が出てきている」
   →フットサルで決まり!具体的な顧客は、第1問を意識して答える。
     地域の学校や団体との関係性:フットサルを始めたばかりの大学生
     アマチュア志向の需要:ジュニア(から中高年)、女性
     ※「中高年」は2つ目の答えの「高齢者」に含める。

 「出社前や昼休み、そして早朝や夕方に公園周辺をウォーキングやジョギングする人が増えている
 「週末や休日になると、さらにその人数は増加しており、高齢者の割合が増えてきている
 「このようなランナー達のグループ作りが盛んになっており、企業や大学のサークルだけではなく
 「ハーフマラソンの距離別で、初心者、親子から本格的ランナーまでが楽しめる大会を目指している。特に5kmでは高齢者の参加希望者が多い
   →ランナーで決まり!具体的な顧客は、第1問を意識して答える。
     アマチュア志向の需要:初心者、親子、(企業や大学のサークル)
     高齢者等に対して提案販売:高齢者
     ※「企業や大学のサークル」は1つ目の「大学生」に含める。
     ※「特に」という言葉は要注意語句!

問題の階層を考える!
 ターゲット顧客:ドメイン「誰に」「何を」「どのように」の「誰に」
  →経営戦略レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 題意:ターゲット顧客は、自社の強みが活かせる顧客とする
 第1問の強みも考慮の上、ターゲット顧客を挙げる


フットサルを気軽に楽しみたい大学生、ジュニア、女性等である。30字


城郭公園の周辺を走る高齢者やマラソンの初心者、親子等である。30字

2010年2月4日木曜日

事例問題にしがみつく方法(平成21年度 マーケティング・流通 第1問)

 さて、マーケティング事例を始めよう。マーケティング事例は、自社の強みを顧客のニーズにうまく対応させて、競合と差別化を図ることが重要だ。試験委員である岩崎 邦彦先生の著書、「スモールビジネス・マーケティング」では中小小売業のコア基盤を次の3つに分けている。「目に見える資源」、「目に見えない資源」、「小規模特性」だ。具体的な内容は、以下の通りだ。

  コア基盤
  a. 「目に見える資源」…設備、人手、資金など
  b. 「目に見えない資源」…専門知識・独自の経験、ノウハウ・技術、顧客の信用・ブランド
  c. 「小規模特性」…真空地帯の対応力、変化対応力、地域密着力、対面販売力、個性化力

ここではさらに「目に見えない資源」と「小規模特性」を融合させることで持続的競争優位性が築かれると説明している。つまり中小小売業では、「目に見えない資源」と「小規模特性」を強みとして捉え、大手競合との差別化戦略を考えていくことになる。
 さて、それでは第1問から解いていくことにしよう。

第1問(配点20点)
 ショッピングセンター内の2つの競合店に対してB社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか。80字以内で2つ答えよ。

まず題意から考えよう!
題意:B社の強みを活かした差別化戦略は、具体的にどのようなものか
 解答の骨子
  例1:B社の強みを活かした差別化戦略は、〜である。具体的には、競合店に対して〜である。
  例2:競合店に対するB社の差別化戦略は、〜である。
  ※80字なので、一文40字でニ文で答えるのが理想的だ。あまりに長い文だと読み難くなるので、短文で区切って記述する方が良い。
  ※今回は、主語の部分を長くしたので、一文で解答している。

次に制約条件を考える!
制約条件:ショッピングセンター内の2つの競合店に対して
 SC内には2つのスポーツ用品店があり、1つは大手チェーンのスポーツ用品店で、もう1つはファッション重視のスポーツ用品店である
 「大手チェーンのスポーツ用品店」と「ファッション重視のスポーツ用品店」に対する差別化戦略を考える。

与件を活用する!
B社の強み:
 「本店を含めいずれの店舗においても、地域の学校や団体との関係を深め、緻密な商品供給とサービスに力を入れてきた
 「従業員の顧客対応に関しても住民からの評判が良かった
2つの競合店の特徴
 「大手チェーンのスポーツ用品店は、各種スポーツのプロ志向の需要にも応えようとする品揃えをしている」
   →差別化:アマチュア志向の需要にも対応する
 「もう1つのスポーツ用品店は、若者向けスポーツカジュアルのファッションに重点を置いた品揃えを行っている」
   →差別化:高齢者に重点を置く

問題の階層を考える!
 強みについての設問→環境分析レベル
 環境分析・経営戦略レベルで必要な知識



以上から導き出した解答:
 題意:例2を使用
 差別化するなら2つの競合店の裏返しを考える
 顧客対応とくれば、提案営業でしょ。

大手スポーツ用品店に対するB社の差別化戦略は、地域の学校や団体との関係で培った緻密な商品供給とサービス力を活かして、アマチュア志向の需要にも対応することである。80字


ファッション重視のスポーツ用品店に対するB社の差別化戦略は、住民からの評判が良い従業員の顧客対応力という強みを活かして、高齢者等に対して提案販売をすることである。81字